その夜は眠れなかった。
四方から軍勢の鳴き声が聞こえてくるのだ。
「グンゼッ」
恐ろしい。
夜に攻撃を仕掛けてくることはないだろうが、逆に言えば明日の朝には一方的な蹂躙が始まるのだ。
真夏の夜だというのに冷や汗が伝う。
夜が明けて、我々は拍子抜けした。
軍勢の鳴き声だと思っていたのはグンゼの下着だったのだ。
これ幸いとばかりに冷や汗で塗れた下着を取り換えようと全裸になったのだが……。
グンゼの下着が一気に襲ってきた。
我々は忘れていたのだ。
グンゼの下着の恐ろしさを。
軍勢でなかったことに安心して警戒を怠ってしまった。
死の間際に恋人のことを思い出して、全裸であることの興奮も手伝って全力で勃起したまま二度と目覚めることのない眠りにつくのだった。
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