2020-11-23

役目を終えた婚礼道具たちをメルカリで手放そう。場所も取るし。と決意してひと月が経ったが、全く手放せそうにない。

仕事の合間に吟味選定してひとつひとつ揃えた苦労と、すべてを揃えあげたらどんな式になるのか想像して眠れなかった楽しさと、無事に本番当日を迎えられて大切な人たちの前で役目を果たせた喜びと、まだお別れできそうにない。

道具は何も語らないが、ひとつひとつに「お幸せに」と作った人の願いが込められているような気がして、私はその願いにずいぶん背中を押されて、なんとか心折れずに準備を進められたのだ。

役目を終えた今もまだ、心細くなったときは道具箱の蓋を開けて、励まされている。

特別な一日のためにあつらえられた道具たちの気高さ美しさ清らかさに、特別じゃないふだんのまいにちを引き続き支えてもらっている。

あぁ、私は生きていていいんだ。幸せを望むことを肯定されているんだ。あたたかい。結婚してよかった。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん