幼稚園の頃から、いつも女の人が立っていた。黒くて長い髪の毛で、百合の香りがした。
白いブラウスと灰色のスカートを履いて、いつもどこか遠くを見つめていた。
いつもいるのが当たり前だったから、誰なのか親に聞くこともなかった。
夜も街灯に眼を凝らすと、その女の人は立っていた。夜さみしくなったときはいつもカーテンを開けてその人を見ていた。
5年後も、10年後も、私が大学生になっても、その女の人はいつも立っていた。
疑問に思うことはなかったけど。
よく考えたら、女の人がいつも同じところに立ってるのっておかしいよね。
カーテンを捲って外を見るのが怖い。誰かに見られてる感じがする。
Permalink | 記事への反応(2) | 02:12
ツイートシェア
よく考えたら、女の人がいつも同じところに立ってるのっておかしいよね。 男の人ならいつも同じところが立っていてもおかしくないよね!
刑事さんの張り込みだよ