そのため、口頭で名前を伝える時は必ず「美しいの美に~…」という言い方をする。
それがとても嫌だった。
ただ単に、名前負けしているようで嫌だったという話だが。
毎日の課題。授業のプリント。一日の間に何回も自分の名前を自分の手で書く必要がある。
その度に「美」という感じを含んだ自分の名前を見なければならない。
それが地味にストレスだった。
しかし、なんでこんな名前をつけたんだと両親を責めようとは思わない。
名前自体は、本当に愛情を持ってつけてくれたんだろうと思うし、こんな事を思っていたことがあるなどと言ったら両親を傷つけてしまうような気がして、どうしても言えない。
けれど、大人になった今でも自分の名前に「美」が付くのが嫌でしょうがないなと思うときがある。
そういう時のストレスの行き場がないのが時々辛い。