週末、近くで花火があった。
息子がせがむもんで、奥さんと3人で出掛けた。正直暑いなか人混みに出かけるなんてどうかしてる、と思っていた。
花火は好きだ。あんなに素晴らしい芸術が無料で夏の夜空に放たれる。ただわざわさ蒸し暑い中子供を連れてまでいくなんてどうかしてる。
しかしながら花火はすばらしかった。近くで見る花火はやはりいいし、花火職人の腕もしっかりわかった。花火はあなどれない。
気持ちよく帰っていたら息子が「これやりたい!」と言い出した。
ヨーヨーだった。
こんな子供だましの商売がまだあることにも驚いたが、息子がやりたいと思ったことに驚いた。
たかだかゴムでできただけの昭和の玩具。息子は本気で目をきらきらさせていた。
奥さんは、あっちを釣ろうこっちがいい、と息子にきちんと合わせていた。
優秀な奥さん、俺はそもそもヨーヨー釣りに対してくだらねぇと少なからず思ってしまった、
奥さんはちゃんと息子に目線を合わせて優しい気持ちで接している。
しかし、俺はどうだ。
あんなにきらきらした目をしてる息子に対してアホかと思うなんてなんだよ。
アホじゃなかった。アホは、それに乗れない俺だった。
あぁ家に帰りたくない。