ゆかり。
やはりそうか。そういう女か。という気持ちが否めない。
呑んでいて、ちょっと誰か呼ぼうぜ、という話になりならばゆかりかな、という運びになった。
ゆかりは自分だけでは行けないというので王子にも声を掛けた。後からゆかりの回りから聞いた話だと王子じゃなくチーズが気に入っていたらしい。
王子と、いや玉子とゆかり。ひどい。相性と相性が前世から喧嘩している。
酸味風味コク甘味すべて喧嘩番長だ。やめろ!喧嘩はやめろ!!むなしく声が響く。
もうだめだ。呑み会もお開きだ。ひとりでお開きだ。こんなことを望んでいたわけではないのに。
玉子は酢を入れたお湯でポーチドエッグ英国男子風に仕上げ、ゆかりを上からまたがらせた。わりかし個人的には粋な演出が裏目に出たのだ。
このままでは盛大な宴が終わるその相性の悪さに、私は苦肉の策としてタイ王国ナンプラー王に仲介を頼んだ。
ナンプラー王、さすが。英国玉子とも相性ばつぐん。ヴァッチリ合う。ナンプラー王と玉子だけでよかったのだ。ナンプラーと玉子うまい、もぐもぐ。