「ねぇ、何を読んでいるの?」
僕は男の子に聞いた。
「これはオークの絵本だよ」
「オーク? オークってあの醜い化け物みたいなやつ?」
「そうだよ オークには男の子と女の子がいるって知っていた?」
「知らなかったなぁ てっきり男の子だけかと」
「でも、オークの男の子も女の子もどちらも美しいエルフと結婚したがるんだって」
「エルフと結婚できるオークは王様くらいらしいよ 沢山の宝石とかをあげてやっと結婚してくれるエルフがいるんだって エルフのほとんどがオークとは結婚したがらないらしいよ」
「オーク同士で結婚はできないの?」
「大半のオークはオーク同士で結婚するらしいよ でもそれは仕方ないからオーク同士で結婚するだけだよ」
「それじゃあ 男の子のオークも女の子のオークもお互いが好きになれないんだ」
「そう とてもかわいそうだよね」
「最後はどんな風に終わるのか教えてよ」
「オークたちが星に願って奇跡が起こって、うつくしいエルフになってみんながすきになれたんだって」
「結局、オークはオーク同士では愛し合えなかったてこと?」
「そうなのかもね でも、エルフになれてよかったよね オークたち」
「そうなのかなぁ まぁいいのかなぁ」
エルフになれるよう星に願った。