2011-04-22

SCRIBBLES IN GRAVEYARD

いくえにも重なるこの重層的な建造物の中で

あなたは何を考えているの?

自らの使命を果すために、ただひたすら均衡を作り出す歯車

私と違い、その意志すら石と化した存在には既に思考などあるはずもなく、

ただ己の運命を全うせんがため、鎮座するその四つの戒名。幼子の道標

たとえ似たような運命を背負ったと云えども、

この幾千のときをただひたすら末のみだけで過ごすのはやはり退屈だろう。

私も話し合い手くらいは欲しかった。いつになく、こうして塔の蕊にまで到達するころには。

あのひとでなしが口やかましい女房とこれまで道を同じくしてきたのも、

こうして任務になんども当たっていれば何処かしら理解のできるような気がした

配管の蠢く脈動が、人の声であればどれほどよかったのだろうと…

残された感情が弱音を吐くためにあるのだとすれば、

そんなものやはり捨ててしまえばいいのだろう。

などと逡巡する暇もなく、再生機関は再び目を覚ましつつあった。

「あとどれくらい…どれくらいこの迷いを味わうことができるかしら…」

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