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2009-04-06

架空世界舞台にした作品における言語

現実とは違う、ファンタジーだったりスチームパンクだったりする架空世界舞台にしたフィクション作品における言葉に気を取られることがある。

当然だけれども、どんな言葉にも由来があり歴史がある。しかしその「歴史」自体を共有していない世界においてもその言葉存在し、当たり前のように登場人物達が発している事の違和感は、一度覚えてしまうとと簡単には拭えない。

たとえば「ベルセルク」のような(中世ヨーロッパに酷似しているとはいえ)架空世界で「馬の耳に念仏」とか「釈迦に説法」などという言い回しを(ギャグ調のシーン以外で)使えるだろうか。「念仏」も「釈迦」も「説法」も仏教由来の言葉であり、それはつまり「ベルセルク」の世界仏教(もしくはそれに類するもの)がある事を暗示するわけで、さらに言い換えれば主人公達が生きている世界とは別の文化圏がある事を示す。現在あの作品世界が終末を迎えようかといわんばかりの状況のはずだが、それとは無関係に存続している文化圏があるという事を想起させてしまうと、途端に今の状況は陳腐化してしまう。

さらに想像力をふくらませていけば、ごくありふれた単語すらも「この作品世界観とは矛盾していないだろうか」と疑念にとらわれて埒があかなくなってしまう。英語圏ではない国とわかりきっているのに全登場人物が全編英語で喋る、ハリウッド映画のように割り切るしかないのだろう。もしくは「指輪物語」のトールキンのように、もしくは「スタートレック」のクリンゴン語のように、別の言語を自力で作り上げてしまうか。

 
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