2022-02-16

anond:20220208171949

こころぴえん⑨



私の知る限り先生奥さんとは、仲の好い夫婦の一対であった。

お祭り新婚旅行、ディナー、タグ付けで幸せな日々が全部タイムラインに流れてきた。

それを私が眺めながら別の人に恋をしているとき

先生もたまーに電子カルテを覗いていたという。


ちぐはぐな世界でちぐはぐな感情を紡ぎながら私たちはそれぞれ交わることのない平行線の点Pと点Oとして歩みを進めていた。


幸せそうにタイムラインタグ付けされて流れていく先生

私は先生が少しだけ恋しかったけれど、先生幸せを味見するだけで腹八分目程度には満たされていた。

問いは絶えずに浮かんで消えて行ったが、それが私にとっての苦しみだとは特に感じていなかった。


先生がどんなに苦しんでいるか、これも私には想像の及ばない問題であった。

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