しばらく誰も住んでいない期間があったので、実家はかなり良くない空気に満ちていた。
人が住まない家には、恐らく何かよくないものが宿るんだろう。
一人で住むには広すぎる家の、不必要なものを捨てて行く事にした。
天袋の奥を開けると、見覚えのある日本人形と、ひな祭りの一式が出てきた。
節句の時にわざわざ両親が姉妹と自分の為に買ったものだ。かなり高かったと聞いた。
今ではそんな風習はないだろうに。
お花をあげましょ 桃の花
五人ばやしの 笛太鼓
父も母も、自分たちを祝福し、明るい未来に胸がいっぱいだったはずだ。
自分たちの一挙手一投足に喜び、笑ったはずだ。
その未来が、この誰も住んでいない家だった。
http://anond.hatelabo.jp/20170531053948 家守がわたしの人生だった。 良い人生だ。 ひな人形とかも大切にしている。 最近新調した我が家、 冬暖かく、夏涼しい。 良かった良かった!
初節句に人形などを買い与える習慣は今もあるよなぁと思ってちょっと気になった。 買って、毎年飾れるのはそれなりに余裕がある人だけなんだろうけれど。