2013-12-09

愛を知った

一年くらい前から付き合っている人がいる。その人のおかげで愛というものを知った。

もともと、自分にぴったりな人が世界のどこかにいて、日々努力していればそういう人がいつか現れるのだと思っていた。その「努力」が何かも知らないくせに、理想だけは高かった。以前付き合っていた人たちとは、そういう理想とたがう面を見つけては幻滅し別れた。今思えば本当に幼稚なんだけど、誰もそれを教えてくれなかった。しばらくして、誰かと付き合うのが怖くなった。死ぬのを見るのが嫌だからペットを飼いたくないというような、そういう気分に近かった。

から告白されたときは正直言って期待できなかった。その人と、その人を信じられそうもない自分に。変われる自信が全くなかった。当時の「理想」と、相手は全く別のベクトルな人だったので、半年もしないで別れるかもしれないと思った。そのことを伝えたら、それでもかまわないと言われた。それで、この人に賭けてみてもいいかもしれないと思った。賭けに乗って、正解だった。

それまで見たことのなかったシリアスな顔を見て、日々意外性の念に打たれては、自分はなんて浅はかで、他者の限定された部分しか見ていなかったのだろうと反省する。「理想」なんてもうどうでもよくなって、今は、未知の部分をふたりで見つけることがすごくたのしい。互いの顔を見つめるのではなく同じ方向を見ることが愛だとサン=テグジュペリは言ったそうだが、いつかそういう土地に立つことができたらどんなにいいだろうと思う。今はまだ、お互いの目だけを見ている。

今、すごくしあわせだ、誰かを信じたり、愛したりすることが、こんなにもいいものだなんて、やっぱり誰も教えてはくれなかった。この先どうなるかわからないけど、百年後も一緒にいられたらいいなと思う。

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