最近では年賀状のやりとりのみとなっていた知人から電話がかかってきた。
「いま独立を考えており、そのための仲間を集めています。ついては是非増田さんに力を貸して欲しいと思い、電話しました。とりあえず一回話を聴いてもらえませんか」
特に会社の待遇や給与、仕事に対して不満はないし、妻子も住宅ローンもあるため転職や起業ということには現時点では全く興味がなかった。しかし前職で一緒に仕事してた彼から頼りにされるのは正直悪い気はしなかった。それにこちらが今の会社を辞めなくても何か力になれることがあればと思ったし、彼がどういうアイデアを持って独立しようと考えているのかということに興味があったので、とりあえず話だけでも聞く事に。
指定された場所はホテルのラウンジ。ドトールとかスタバとか、はたまた居酒屋とかを想定していた自分としてはやや面食らったけど、なるほど真面目なビジネスの話をするのならそういう場所を選ぶのかと思い直す。
久々にあった知人は元気そうだった。
挨拶もそこそこに、本題へ。
そしてこの本題を聴いてビックリした。以下、知人の話のまとめ
と、つまりまだ何も決まってない状態だという。彼が何を考えているのかを聞きに来たのに、まだ何も決まってない(考えていない?)という話をされた時点でこちらのテンションはガタ落ち。ドラフトでもいいから事業計画書の草稿くらいはあるのかな、と勝手に期待していたのだけれども、そんなもの影も形もなかった。
私「その"ある人"は何をして成功しているの?」
知人「それは守秘義務があって言えません」
私「じゃあその人から今何を学んでいるの?」
知人「それも守秘義務があって言えません」
結局何も分からず。ブラック企業の人材募集でももうちょっと情報出してくるだろう!
そんな感じでこちらがイライラしていると
知人「いま実はその"ある人"が近くにいるので、良かったら話を聞いてみてください」
ここがこちらの我慢の限界。
私「自分は今日貴方が何をするつもりなのかを聞きに来たのに、貴方は何も考えていない上、何をやっているか得体の知れない人を紹介しようとしている。私はわざわざ○○くんだりまでそんな人に会いにきたわけではない。貴方の口から自分がその人に会う納得の行く説明も何もないまま会うつもりも無いし、そんな新興宗教やマルチ商法の勧誘を彷彿とさせるだまし討ちみたいな紹介の手口には嫌悪感すら覚える。貴方の口から、貴方がこれから何をしようとしてるのか納得のいく話を聞けないのなら今日はもうこれ以上話し合ってもムダだと思うので帰ります。
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そして帰り際に
私「コーヒー代は払うよ」
と言ったら
知人「あ、700円です」
とあっさり受け取りやがった。そして大したコーヒーでもないくせにホテルのラウンジというだけでこの値段!
自分の感覚では、貴重な時間と交通費を遣って話を聞きに来てくれた人にはこれくらい奢るのが当然だと思っていたので、最後の最後でまた凄いガッカリした。あと一緒に働こうとしている未来の仲間のコーヒー代も出さないような器の小さい奴が、独立して成功するとは到底思えない。桃太郎でも仲間を募るのにきびだんごをあげていたというのに!
まぁこれでもう今後彼の話を聞こうという気持ちがゼロになったので良かったかな。
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しかし話のネタに"ある人"に会っておけば良かったかなー、と今になって思う。
ある人に会ったら、帰ってこれなくなってたに700円。