私:体重も頭も軽い二十歳。
Aさん:私と同じサークルのOB。人望が厚くて頭がめちゃくちゃいい。
※Aさんは女性関係などで弱りきっていた。
私とAさんを含む十数人とサークルの飲み会をした。恋人は都合が付かず来なかった。
恋人とはうまくいっているが漠然とした不安があったので、日ごろから(後輩として)よくしていただいているAさんと、あてつけ的な意味で手を繋いだりした。
深く考えてはいなかった。お互いに割り切った、一晩だけの間違った幸せを手に入れよう、ただそれだけ。
日ごろから割をくってるAさんのせめてもの手向けにもなると思うし、私としても、このまま一人の男しか知らずに結婚して老けていくのはつまらない。
Aさんの虚無感と、私の好奇心、それらを満たす最高の手段だと思っていた。
――思っていたが、予想以上にAさんは私のことが好きだった。
弱くて現状維持に必死で相手ばかりを優先するAさんが、全て捨ててでも私がほしいと言った。
私は恋人と離れるつもりはなかったが、Aさんにそう言われ続けてぐらついてきた。
注釈しておくと、恋人は最高の男だ。
そんじょそこらの男に言い寄られたくらいで手放せるような男じゃない。その前にまずそんじょそこらの男じゃ恋人には勝てない。
ただ、Aさんは、恋人に匹敵する最初で最後の男だ。中身も外見も格好悪くて情けないAさん。傾いている気持ちは半分は同情だけれど、半分は本気だ。
恋人はいつもカッコツケで、本音を言わず、私に行間を読めと強要する。恋人がバカで子供だから、私は物分りのいい女を演じて全て許してきたけれど、Aさんが私を貰ってくれるという余裕が生まれたいま、バカで甲斐性のない男をあえて選ぶ必要はなくなった。
で、国際法に則り、24時間前にメールで「喧嘩しようぜ!(原文まま)」と宣戦布告し、話し合った。
恋人はバカだし私は優しいから、メールにヒントをたくさん(答えもぽろぽろと)書いたのだけれど、予想外にバカでよくわかってなかった。
私は「脅しでもなんでもなく話し合い如何では別れるつもりである」と前置きした上で、不満や不安をすべて吐き出した。
Aさんに告白されたことはいの一番に伝えた(浮気の件は伏せた。醜い保身のため)。
「物分りのいい女」をいままで演じてきたこと、別れるのが怖くて演じていたことへの謝罪、そしてもう演じるのは疲れた、ということを話した。
恋人の職業の特殊性や、その特殊性のせいで私の人生がめちゃくちゃになるわけだがそれが幸せだと思うか? とか、前に私の過失でちょっといさかいが起きたとき私は思っていたことを全て伝えたがあなたはだんまりなのね、とか。
その他、ひとつひとつの言葉の意味も懇切丁寧に説明したら、やっとわかってくれた。
でも最後まで悪あがきしてカッコツケのままでいようとしたから、むかついたため途中から喧嘩にかこつけて心を抉る言葉をサブリミナル的に挟んだ。ら、やっと本音を見せてくれた。
いい年の男がこんな風に泣く姿なんて初めて見た。情けなくて格好悪い男だなと改めて思った。惚れ直してはいない。胸のわだかまりが取れてほっとしたわ、とだけ思った。
とりあえず「まだ迷っているのは事実。次にこういうことがあったら私は迷わずAさんになびくからね」という真実だけは伝えておいた。
バカなりに私が本気で言っているとわかったらしく、弱りきった犬より情けない顔になった。
Aさんも恋人に宣戦布告をしたようだ。私にも「全力で落とす」という旨のメールがきた。
私はどちらと一緒になっても自分で勝手に幸せになるから、対岸の火事として見守っています。みんながんばれ。超がんばれ。
みなさんは「この増田はどんだけ美人で素晴らしい女性なんだよ」と思うかもしれないが、文章からわかるとおり頭の弱い底の浅い女です。でも男たちはそれぞれ最高だから、叩くなら私だけにしてね。あー……でも「底の浅い女だよ」とそれぞれに言ったがどちらも「でっていう」って感じに頷いていたからどっちもダメ男かもしれない。
ちなみにAさんは最後までホテルに行くのをためらっていた。私が押し倒した。だってほかの男と寝てみたかったんだもん。
恋は盲目というが、本当にそうだと思う。
私の盲目フィルタは「不安」だった。不安から目をそらして都合のいいところだけ選んで無理やり納得してた。
喧嘩の終わったいま、盲目フィルタがはずれ、恋人を一人の人間として見るようになった。そうしたらそれほどいい男でもなかった。
でかい釣り針乙
http://anond.hatelabo.jp/20100311132102 恋人とAさんの間でできるだけフェアを貫くため、私は常に本音を言い続けた。どれだけ矛盾していようと、どれだけ醜かろうと、そのときの本当の気持ち...