2009-11-08

あのときの俺は偽鬱だったんだろうと思う

もう5年前の話だけど休職したことがある。

課長に昇進してから半年がたって自分なりに思うことがあったので書いてみる。

当時の俺はまだ若手だったが、運よく、部長副部長にも気に入られていたため新しく課長に抜擢された先輩の右腕役を期待されて新組織に異動になった。もちろんうれしかったし、それに答えようと頑張った。やった仕事過去最高の実績も残せた。でも、課長がいろいろ大変な人だった。普段はすごくいい人なんだけど、仕事になるとロジックの鬼というか、俺が出した企画書ひとつひとつロジックの矛盾を突き、なんでこの答えになってるの?という感じの人だったし、そもそも自分の中に確固たる答えがある人でそこにたどりつかない俺は徹底的にロジックで叱責されていた。「なんでできねーんだ馬鹿野郎!」と怒られるよりも、ひとつひとつ自分の間違いを指摘されてロジックの逃げ道を封鎖されていく説教は、「わたしはなにもわかっていない大馬鹿野郎です」と植えつけられるようだった。

そうしているうちにあることに気がついた。

最近抜け毛が異常に多い。枕、フローリングの床、髪を洗っているとき、髪を乾かしているとき、明らかに抜け毛が多い。でも季節の変わり目だから、なんて言い聞かせて床屋に行ったとき、床屋の兄ちゃんに「お客さん、円形できてますよ」と指摘された。あわてて家に帰って彼女に見てもらったら間違いなく円形だった。1円玉ぐらいの大きさ。そして髪を切ってやはり毛髪全体が薄くなっているのもわかった。また同時期に常に胃が重く、変な満腹感がずっと続き飯もそんなに食えなくなってきた。

原因は明らかで、もうそれしかねーだろ、という感じだったが、大学のときに実家を飛び出して、就職東京にやってきた俺には逃げる場所もなくどうしようかとモンモンとしていた。そんな日が半年も続いたころだろうか、再びうちの課が過去最高の実績を叩きだした。祝勝会で一番の功労者として課長からも労われたのだが、それって課長が俺の当初の企画をコテンパンに叩いて直したもの。そこでなんだか心が折れてしまった。結局課長アイディアがスゴイだけで、担当者課長の叱責に耐えられる人ならだれでもいいんじゃねーのか、なんて思うようになり、会社休みたくして仕方がなかった。行きたくなかった。

そして俺は心療内科へ向かった。何を求めたか自分でもわからないが気分が楽になればいいなと思って行った感じだ。

医者に、仕事ストレス抜け毛、胃の重さを伝え簡単な質問に答えた結果、「軽度の鬱なのかもね」ぐらいの緩い診断が出た。どれぐらい緩いかと言えば、『仕事は休まなくていい』レベル。それを聞いて気がついた。「もうちょっと重ければ合法的に会社を休める。」という事実に。

2回目の受診時には、ひたすら「症状は良くならない」ということを伝えた。薬も飲まなかったくせに。

結果、適応障害という診断をいただき、課長と人事にそれを報告したところ晴れて報告して3日後には休職となった。薬を飲むこともなく、質問には正確に答えない状態という仮病でしかなかったがそれでもまったく罪悪感はなかった。後の企画担当者には申し訳なかったが。

有給休暇たっぷり残っていたこともあり、休職期間中は自由に生活してた。彼女のために夕飯は作りつつ、あとは自由に旅行に行ったりジムに行ったり。大学生の時以来の休みを有意義に使っていた。休み始めて一か月もすれば、抜け毛は収まり、胃の重さもなくなり毎日が楽しかった。なんとなく鬱の薬にいい印象を持っていなかったので薬は一回も飲まなかったにも関わらずだ。

それでも病院の定期診断では「まだ胃が重い」みたいなことを言い結局薬は一回も飲むことなく3か月で職場復帰した。

復帰してすぐに4月を迎え俺は異動してまったく違う部署になった。休んでから、結局自分を守れるのは自分だけという精神状況になったので好きなように仕事をしてたし、新しい課長はそれを認めてくれていた。仕事は楽しくなり結果としてその課で出世することができた。

そして、課長一年目の今年。部下には丁寧に、丁寧に教育と指示をしながら半年がたった。幸い誰も休職していない。

そこで思うのは、すべてはあの時休職したから今の俺がいるということ。仮病だったけど。

偽鬱ってもちろん問題があるけど、俺はあのまま休まなかったら本当の鬱になっていただろうし、そうなっていたらもっと面倒なことになっていたと思う。だから、偽鬱ってウソも方便としてなんかもうちょっとどうにかしてやれる名前にしてあげられないだろうか、と思った。

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