2009-01-28

添削を受けて寓話を修正してみた

ある国では、国家戦略として全国民囲碁棋士になるよう奨励していた。そして日曜日国民TVアニメでも流されているとおり、囲碁の本懐は終生の対局相手を探すことという風習だった。

1人の、囲碁ルールを覚えて一人前になった青年がいた。懸命に終生の対局相手を探していたが、なかなか見つからない。

何人目かでやっと青年は、自分の打ち筋を気に入ってくれた花屋を見つけた。そこの主人は言った。

「お前の打ち筋はすばらしい。わたしが終生相手をしよう。ただし、お前はもう他の誰とも対局してはいけない。わたしとだけ対局するんだ。わたしもお前とだけ対局しよう(←new!)

青年は、認めてもらったうれしさもあり、その申し出を承諾した。この国ではそういう対局形態も多いのだ。

それから青年は、対局を花屋の主人とだけ行う日々を過ごし、それなりに満足していた。

いちど花屋のお客さんに「俺とも対局してみないか」と言われ曖昧に返事しているところを見られて主人にこっぴどく叱られた以外は、おおむね順調な日々だった。

何年か経ち、青年散歩に出かけていると、花屋によく薔薇を買いに来る画家と出会った。世間話のあと、画家は言った。

「ぜひ君と対局してみたいね。私はこう見えても棋士の素質を見抜く才能があるんだ。君には素晴らしい腕がある」

「だめだよ。僕は花屋の主人と、他の人とは対局しないと約束しているんだ」

そう言いながらも青年は思い出していた。

もっと若い頃の、情熱に溢れていた自分を。できるだけ大勢の人と対局して囲碁世界を知りたいと夢見ていたあの頃を。

「それでも私は君と対局してみたい。これは私の正直な気持ちだ。花屋のご主人との対局スケジュールに迷惑をかけるつもりもない」

その言葉青年は決心した。青年画家と対局することで、画家幸せになれるし青年幸せだ。そしてよくよく考えてみると花屋の主人が不幸になる理由もないのだ。

2人は対局した。画家は言った。

「私の目に狂いはなかった」

それから青年はたまに画家の元を訪れては対局するようになった。青年の腕は、対局の機会が増えたことに加え、画家アドバイスもあってみるみる上達していった。

そんな日々が続く中、さすがに花屋の主人も青年が一足飛びでうまくなっていることに気付いた。

執拗な追求の結果、とうとう青年画家と対局していたことはバレてしまった。

花屋の主人は烈火のごとく怒った。

「わたしという終生の対局相手がいるのに!!!」

青年は言った。

「あなたが私という打ち手を気に入ってくれたことは大変うれしいし感謝もしています。しかし、僕と対局することで幸せになれる人が他にもいたのです。僕もできるだけ多くの人と対局してみたい。多くの対局でより多くの幸せを紡ぎ出すことが、なぜいけないのですか」

「わたしとしか対局しないって約束したじゃないか!」

「僕が他の人と対局することであなたに不利益があるわけでもないのに、僕が他の人と対局することがあなたにとって嫌なのだとすれば、それはただの卑しい独占欲ではないのでしょうか。だとしたらそのような束縛に、いったいどのような意義を見出せばよいのでしょう」

ここまで書いて思った。

浮気がいけないのって、不慮の子供が生まれちゃう可能性があるからと、セックスの打ち筋が変わってしまうから(←new!)なんだな。

解釈

青年…夫

花屋の主人…嫁

画家浮気相手

※性別は逆でもOK

■修正前

http://anond.hatelabo.jp/20090127211103

記事への反応 -
  • 添削を受けて修正した、という割りに 複数から指摘された(自分でも言ってる)「子供が出来る」と言う観点と http://anond.hatelabo.jp/20090127230006の増田が指摘した「不衛生」という観点が入...

  • 独占欲として糾弾しているけど、これは通常「終生の相手を見つける」という大義名分に沿って、双方によって合意された契約を破るっつー倫理問題だろ? なぜ契約を破るっつー、一番...

    • つまり、「なぜそういう契約があるのか」ということを見つめ直したいのですよ。そういうふうに思う感情含め。 で、社会的理由は「不慮の子供ができちゃうから」 で、個人的理由は...

      • 結婚という契約制度を作ったのは日本国であって個人ではないから、個人的理由というものは関係ない。 日本国にとっては不慮の子供が出来ると国民を管理し辛くなる、と言うのが主な...

      • なぜそういう契約があるのか、と問うならそれは「二人がそう決めたから」としか言いようがない。 なぜそういう契約を社会や個人が必要とするのか、と問うならあなたの言うような...

        • ああ、それで言うと後者です。 なおこの続き http://anond.hatelabo.jp/20090128124116 も自分で書いて落とし前つけたつもりなんですがどうでしょう。

          • http://anond.hatelabo.jp/20090128131145 その通りだね。 でもそれ本筋じゃなくね?w http://anond.hatelabo.jp/20090128131311 「そういう契約を社会や個人が必要とする理由が○○だとして、それはある個人...

            • 意志判断のフラットさだって客観的・法的に判断されうるんだから私の話には関係ないと思うけどなその問題は。 これ↓が増田の書き込みかどうかはわからないけど、俺のレスはコレ...

  • http://anond.hatelabo.jp/20090128120351 「わたしはそれほどお前の打ち筋を気に入ってるんだ。だからお前はわたしだけの対局相手でいて欲しいんだ。」 「その2文が繋がる意味がわかりません...

  • ある国は、人口の半分がフルート奏者だった。どんな家業でも商売繁盛を祈って自前の礼拝堂で演奏する風習があるのだ。 1人の、フルート奏者になりたての青年がいた。懸命に自分の...

    • なにがしは言った。悪法もまた法なりと。 契約破っちゃ駄目でしょ。

      • つまり悪法を悪法じゃないと思わされている現代人が盲目だってことか。

        • 違う。 契約してからあーだこーだ言って破ろうとするなっつってんのよ。 この法(契約)は二人の合意によるものなんだから、悪法だと思うなら契約しなければよい。契約してから「悪...

          • 例え話を続けていると分かりにくいからそのまま書くけど、 どうやら「結婚=自分の意にそぐわなくとも強制的にさせられる契約」だと思っている人間が一定数居る模様。 実際は自由契...

          • 契約なら必ず守んなきゃいけないっていうのは違うでしょ。 公序良俗に反する契約なんかは無効になる。 そういうことを言い始めたら、闇金の利息だって互いの合意の上での契約なんだ...

    • 浮気レベルじゃなく乱交推奨にもなってくるな

    • ふと思ったが教育や保育や掃除や洗濯や料理は赤の他人がやってもおかしいと思う人は少ないのに性交だとそうじゃないというのがポイントなんだろうな。学校や塾や保育所や家電や外...

      • そうなんだよ。考え続けたら性交がだめな理由が、子供が生まれちゃうリスクがあるからってことぐらいしか思い至らなかったので投げかけてみたんだ。 つまりパイプカットや避妊手術...

        • パイプカットや避妊手術は現在の日本では基本的に子供が複数居る人にしか認められていないし、 子供が居る家庭なら浮気をする事で夫婦関係が崩れると子供の生育に対して悪影響があ...

      • そりゃ結婚ってそういう契約だし その理由は(元増田も触れてるけど)性交すると子供が出来る&無差別に子供作られたら子供の父親の特定が困難になる、という所にあるわけで。

    • うーん、なんか音楽の演奏だと1対多が自然じゃない?だからあんまりピンとこないっていうか…。もともと外にも漏れ聞こえるし、大勢で楽しむことができるものを独占する契約って...

    • 結婚は双方を縛るものなのに、なぜか青年しか縛られていないように読めるのが変かな。 店主はお店に来るいろんな人と自由に商売できるのに、青年は一人にしかフルートが吹けない...

      • 結婚は双方を縛るものなのに、なぜか青年しか縛られていないように読めるのが変かな。 そこは青年が、店主が別に他の人のフルートを聴くことに不満は無いと考えると、嫁が浮気す...

        • 補足しよう。 寓話の契約を結婚に引き写すと、「嫁は他人と浮気していが、夫は浮気してはいけない」って約束で結婚した、という事例になる。 その場合、結婚後に夫が「やっぱりあ...

        • 結局結婚って双方の合意による契約行為なので、そりゃお互い浮気してもいいっていう契約で結婚するカップルだっているよ。そういうところでは別に浮気したって問題ないんだよ。 で...

          • ↓くわしく 妻は浮気しないけど夫の浮気は許すっていう契約で結婚してるカップルだってかつてはたくさんいた。

            • 昔は女遊びは男の甲斐性、とか言われてたし、そういうこと折込済みで結婚してたと思う。 今でも偉い人だと外に妾ぐらいいて当たり前だったりしないのかな?

          • 想像力が足りなさすぎる。 お前は「浮気が男の甲斐性」だと考えている男が9割の世界でも、『増田が浮気をして欲しくないなら、浮気をしない相手を探せばいいだけ。』と言えるのか?

      • 青年は店主にしかフルートを吹かない、店主は青年のフルートしか聴かないという契約なら、平等だし、店主や青年がわざわざそんな重い契約をお互いに結んだのには深い意味がありそ...

      • >>青年は店主にしかフルートを吹かない、店主は青年のフルートしか聴かないという契約なら、平等だし、店主や青年がわざわざそんな重い契約をお互いに結んだのには深い意味が...

    • フルート奏者が花屋のことを好きなんだったら、花屋を怒らせ(悲しませ)ないほうがいいんじゃないの? それとも花屋の怒り(悲しみ)まで、先入観だとか言って否定するの?

      • フルート奏者が花屋のことを好きなんだったら、花屋を怒らせ(悲しませ)ないほうがいいんじゃないの? それとも花屋の怒り(悲しみ)まで、先入観だとか言って否定するの? 先...

        • 横だけど、愛情と性交を完全に切り離せれば、浮気は浮気ではなくなるんだろうな。それが切り離せるかどうかは知らないけど。

    • http://anond.hatelabo.jp/20090127211103 この寓話がダメなところは「フルートを自前の礼拝堂の前で吹く」という行為を「セックス」になぞらえていることだよ。だって、普通は楽器の演奏って、...

    • 要は、B(ペッティング)までは結婚しても他人とやっていいんじゃないか?それを禁じる根拠って何?ってことだよな。 誰かわかる?

    • この寓話において致命的に間違っているのは 「うちでしか演奏しないって条項付きの契約じゃないか!」 「この店でしか聴けない演奏などという触れ込みで客を呼ぶわけでもないのに...

    • ボクシングがとても盛んな国があった。 全ての国民はボクシングが出来るべきであるとされており、ボクシングのファイトマネーが国民の最大の収入だった。 野良の賭けボクシングも盛...

      • ・永続契約をした場合、それはけして取り消せない。 双方の同意があれば離婚できるよ。 ・セコンドの要求する試合数を消化する必要がある。 セックスレスが正当な離婚事由にな...

      • 俺、フルートの寓話書いた元増田だけど、このボクシングの寓話(作者は俺ではない)はもっと評価されてもいいと思う。

    • 浮気しているから本命への愛情が薄いわけではないと考えたほうがいいの? 当たり前だ。他の人と性交したからと言って、どうして好きな人への愛情が薄くならなきゃいけないんだ。 ...

  • まだ抜けてる視点は、これだとモテてる(他の人からの対局依頼がある)のは青年だけっていう感じに見えるけど、実際は青年の知らないところで花屋もたくさん対局依頼を受けてるか...

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