2008-05-09

巨大住宅地に消えた老女

先日、一人の老女が息を引き取った。

私はその報を受け、軽い衝撃を覚えた。

"痴呆気味の85歳の老女が行方不明になった"

ゴールデンウィーク最中、その第一報を聞いた際私は、"困ったものだな"程度に考えていた。

"すぐ見つかるのではないか?"、"きっと大丈夫だろう"と、無責任に大して重要視して受け止めてはいなかったからだ。

老女が行方不明になった場所は、関西では指折りの巨大ベッドタウンで、一戸建て住宅は当然多数存在し、4階建て以上の団地郡だけでも近隣には5つ存在しており、巨大なショッピングモールに駅・バスターミナルまである。

決して子供が少ないなんて事もなく、周囲をGoogleMapで適当に確認するだけで小中高学校を5つばかり確認できる。

軽くみつもって、数千人もの人間が行きかい生活する場において、老女はなんと4日もの間彷徨い、発見時には危篤状態だったのだそうだ。

行方不明になった老女が発見された場所は、行方不明になった自宅から直線距離にして4km弱の場所だったようだ。(GoogleMapにて適当に目測するにだが)

4日もの行方不明期間を考えると、そんなに劇的に移動しているわけでは無い。

にも拘らず、老女はその間発見されることは無かった。

"何でなんだ?"

理由を後付しようと思えば幾らでも浮かんでくる。

だが、どうしてもどんな理由さへ釈然としない。

家族が悪いなんて事を私は断じて思わない。

コレはイノベーションがあれば救えたのか?

本当か?

それは机上の空論では無いのか?

例えばGPS機能付き携帯電話を持っていたらと言う事を短絡的に発想するが、それを老人が必ず携帯する保障が何処に在るんだろうか?

私だって携帯電話携帯し忘れることが稀にある。

それが痴呆気味で、突然居なくなった老女に、GPS携帯を持たせるというロジックはなりたつのか?

色々と考えて見ると、様々な事柄への認識の甘さを痛感し愕然としてしまった。


上記出来事は、残念ながらフィクションでは無い。

特定されないようにあえて色々と情報をぼかしてはいるが、実際に上記に該当する場所にお住まいの方なら検討がつくかもしれない。

現在ニュースサイトにて記事になっているのを確認はできないので、記事にもならないようなありふれた事柄のようだ。

TVメディアの伝える事が全てではないが、ニュースサイトが伝える事も全てでは無い。

遅くなったが、御冥福をお祈りしたいと思います。

家族の心情を勝手に推し量ると、このゴールデンウィーク悪夢だったのだろう・・・。

  • 取り外し不可能な発信機を身につけさせればとりあえず解決するだろう。皮下埋め込み式とか。

  • 何に衝撃を覚え、何に釈然とせず、何に愕然としたのだろう。 イノベーションが人を救うことも多い。運が人を襲うことも多い。 事故はなくせない。それが現実だ。それでも事故を減...

  • よくあるとまではいかなくとも、決して珍しい話ではないみたい。 自分も関西のある都市で福祉職をしてるけど、月に一回くらいは役所から 「緊急!この○○区在住の認知症のお年寄り...

    • マンションに住むと、エレベータの乗り方分からなくて フロアにとどまりっぱなしになるので徘徊は防止になるよ。 老人ホーム(とあえて言ってしまう)だと、エレベータはカギ式やら...

  • 家族はほっとしたと思うよ 老人を捜すためのGPSは結構面倒くさい 腕輪とかにしても嫌がってすぐに外す 靴に仕込んでも裸足で出かけたりする 福祉の業界にいればいるほど痴呆老人は...

  • とくに女性の場合、嫁入り前の実家に帰ろうとして徘徊になっちゃってることが多いから 歩き方がしっかりしてるんだよね。 目的地があるつもりだから、本人。 人に聞かれても「実家に...

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