はてなキーワード: デカン高原とは
まあ、どのくらいの数のイ映オタがそういう彼女をゲットできるかは別にして、
「オタではまったくないんだが、しかし自分のイ映趣味を肯定的に黙認してくれて、
その上で全く知らないインド映画の世界とはなんなのか、ちょっとだけ好奇心持ってる」
ような、ヲタの都合のいい妄想の中に出てきそうな彼女に、インド映画のことを紹介するために
見せるべき10本を選んでみたいのだけれど。
(要は「脱オタクファッションガイド」の正反対版だな。彼女にインド映画を布教するのではなく
相互のコミュニケーションの入口として)
あくまで「入口」なので、時間的に過大な負担を伴う休憩2回、3回のインド映画は避けたい。
あと、いくらイ映的に基礎といっても古びを感じすぎるものは避けたい。
無声映画好きが『ハリシュチャンドラ王』は外せないと言っても、それはちょっとさすがになあ、と思う。
そういう感じ。
彼女の設定は
インドの知識はいわゆる「カレーで美人」的なものを除けば、旅番組程度はたまに見ている
映画好き度も低いが、頭はけっこう良い
という条件で。
まあ、いきなりここかよとも思うけれど、「DDLJ以前」を濃縮しきっていて、「DDLJ以後」を決定づけた
という点では外せないんだよなあ。長さも189分だし。ただ、ここでオタトーク全開にしてしまうと、
彼女との関係が崩れるかも。この情報過多な作品について、どれだけさらりと、嫌味にならず濃すぎず、
それでいて必要最小限の情報を彼女に伝えられるかということは、オタ側の「真のコミュニケーション
アレって典型的な「オタクが考える日本の一般人に受け入れられそうなインド映画
(そうオタクが思い込んでいるだけ。実際は全然受け入れられない)」そのもの
という意見には半分賛成・半分反対なのだけれど、それを彼女にぶつけて確かめてみるには
一番よさそうな素材なんじゃないのかな。
「イ映オタとしてはこの二つは“映画”としていいと思うんだけど、率直に言ってどう?」って。
ある種のSFイ映オタが持ってる東南アジアへの憧憬と、シンガポール観光局たぶん未監修の
オタ的な考証へのこだわりを彼女に紹介するという意味ではいいなと思うのと、それに加えて
いかにもローシャン兄弟な
「山奥のおばあちゃん子的なださカッコよさ」を体現するクリシュナ
「山奥のおばあちゃん子的に好みな女」を体現するプリヤー
の二人をはじめとして、イ映好きのするキャラを世界にちりばめているのが、紹介してみたい理由。
たぶんこれを見た彼女は「七人の侍だよね」と言ってくれるかもしれないが、そこが狙いといえば狙い。
この系譜の作品がその後続いていないこと、これがインドでは大人気になったこと、インドなら10年ごとに
リメイクされて、それが日本に輸入されてもおかしくはなさそうなのに、近年日本国内でこういうのが
つくられないこと、なんかを非オタ彼女と話してみたいかな、という妄想的願望。
「やっぱりインド映画は未婚男性のためのものだよね」という話になったときに、そこで選ぶのは
「ヴィールとザーラ」でもいいのだけれど、そこでこっちを選んだのは、この作品にかけるカーンの
思いが好きだから。断腸の思いで削りに削ってそれでも2時間54分、っていう尺が、どうしても俺の心を
つかんでしまうのは、その「捨てる」ということへの諦めきれなさがいかにもオタ的だなあと思えて
しまうから。 MHN の長さを俺自身は冗長とは思わないし、もう削れないだろうとは思うけれど、
一方でこれがバンサーリーやヴァルマだったらきっちり2時間30分にしてしまうだろうとも思う。
なのに、各所に歌掛けて唾かけさせて2時間54分を作ってしまう、というあたり、どうしても「自分の
物語を形作ってきたものが捨てられないオタク」としては、たとえカーンがそういうキャラでなかった
としても、親近感を禁じ得ない。作品自体の高評価と合わせて、そんなことを彼女に話してみたい。
今の若年層でラジニ映画見たことある人はそんなにいないと思うのだけれど、だから紹介してみたい。
パダヤッパよりも前の段階で、ラヴィクマールの哲学とか特撮技法とかはこの作品で頂点に達していた
とも言えて、こういうクオリティの作品がタミル映画でこの時代にかかっていたんだよ、というのは、
別に俺自身がなんらそこに貢献してなくとも、なんとなくイ映好きとしては不思議に誇らしいし、
いわゆるタミル政治問題でしかラジニを知らない彼女には見せてあげたいなと思う。
レカーの「目」あるいは「絵づくり」をオタとして教えたい、というお節介焼きから見せる、
ということではなくて。「終わらない踊り見物を毎日生きる」的な感覚がオタには共通してあるのかな
ということを感じていて、だからこそアイシュワリヤ&アビシェク夫妻の初リメイク作はウムラオ・
ジャーン以外ではあり得なかったとも思う。
「祝祭化した日常を生きる」というオタの感覚が今日さらに強まっているとするなら、その
「オタクの気分」の源はウムラオ・ジャーンにあったんじゃないか、という、そんな理屈はかけらも
口にせずに、単純に楽しんでもらえるかどうかを見てみたい。
これは地雷だよなあ。地雷が火を噴くか否か、そこのスリルを味わってみたいなあ。
こういうジュベナイル小説風味の恋愛をこういうかたちでテルグ映画化して、それが非オタに
受け入れられるか気持ち悪さを誘発するか、というのを見てみたい。
9本まではあっさり決まったんだけど10本目は空白でもいいかな、などと思いつつ、便宜的にKHNHを選んだ。
DDLJから始まってKHNHで終わるのもそれなりに収まりはいいだろうし、YouTube以降の海外フルロケ時代の
先駆けとなった作品でもあるし、紹介する価値はあるのだろうけど、もっと他にいい作品がありそうな気もする。
というわけで、俺のこういう意図にそって、もっといい10本目はこんなのどうよ、というのがあったら
教えてください。