はてなキーワード: 美容室とは
美味しい店紹介とか新しくできた美容室のピックアップなんかがあって
身近な情報が得られるのはなかなか面白いので、毎月割合楽しみにしていた
その月もいつもと同じように投函された情報誌
なんとなくぱらぱらとめくっていると、巻末の「催し物」ページに目が行った
地元の市民会館やらホールやらで絵画の展示やバザーが行われる、その案内のようなものだ
児童劇団第3回公演、パッチワーク講習、親子マラソン大会、はじめてのパソコン講座…
この狭い地域でも思ったより多くの催し物があるということに驚きつつページをめくる
そこでふと見慣れた名前を見つけた
そんな小見出しをつけられて仰々しく紹介された名前
何より小さく載った顔写真は昔のままだったから確信した
公演の日付は、3日後
その日入っていた予定をすべてキャンセルして、私は気づくと会場にいた
せいぜい300人程度しか収容できないホールには驚くほど人が少ない
その事に何故か私は納得しつつ、ホールの一番後ろの席に腰をかけて開演を待った
指先が少し震えていた
すーっとホールの照明が落ちる、と同時に私の震えはすとんと停止してしまった
そして、ぱらぱらとまばらな拍手を受けて、彼が舞台の裾からゆっくりと歩いてピアノに向かい合うように静かに座った
やっぱり彼だった、間違いない
長い月日が経ったけれど、あの頃とまったく変わっていない姿
もしかして彼の時計はとまってしまっているんじゃないかと不安になるほどに
クラシックに疎い私は曲名も作曲者もほとんど知らないのだけれど、それでも彼が奏でる音は不思議と心地よく
私の中の時計すら止めてしまったようだった
何曲かを弾き終わって、初めて彼が言葉を発した。
「これで最後になります、僕の大好きな曲です」
最初の1音で分かった
私はこの音が聞きたかったんだ
遠い記憶の中、時間の流れの中でもうすっかり霞んでしまった記憶の中で、あの瞬間だけは鮮やかに彩られていた
『私、この曲がいちばん好きだよ』
あの時の私は間違い無くそう言っていた、彼に、思いを伝える代わりに。
さらさらと窓から入る風と、飾られた数々の作曲者達の肖像画、五線が描かれた緑の黒板
それから漆黒のグランドピアノ
何もできず、それでも精一杯だった子供の私
溢れるように蘇る遠い記憶の中で溺れてしまって
すっかりからっぽになってしまったホールの中で、私はずっと涙を流し続けていた
確か小学生の時からだと思うが、運動神経が鈍いという理由からいじめにあっていた。
もちろんクラスにおいては反主流派。
パソコンにはまりはじめたのもこの頃。アニメにはまったのは中学の時だったな。アニメ雑誌を毎月欠かさず買っていた。クラスでは真面目君で通していたな。交友関係からヲタであると認識されてはいたようだけれど。
自分のファッションが明らかに他の香具師と違うと感じたのは高校の時だったな。研修旅行のような物に行ったときだと思う。
クラスの大半はハーフパンツにロゴT、サングラスに何らかの帽子といった、夏らしく、そしてとても垢抜けた格好をしていた。まあ、この頃は大抵のヲタと同じように
というような事を思っていたから、それが大した問題だとは感じなかった。
ちなみにこの頃の漏れの格好はヨレヨレの適当なシャツに色落ちしまくったジーンズ。靴はイトーヨーカドーとかの靴売り場で買った一番安いスニーカー。靴下はもちろんだが白。ワンポイント入っていてな。バッグはアディダスだかそこらへんの紺のリュック。いっぱい入る香具師な。髪型は真中で分けていた。前髪が鬱陶しくなったら切る。そんな感じだった。もちろん服は親がどこぞで買ってきた香具師な。
大学に入ってバイトをし始めたのだけれど、もちろんアニメ関係やパソコン関係につぎ込む。
「いっつも同じ服着てますねー。服のローテーションがそれしか無いんですか??
みたいな感じで煽られたけれど、それは優しみの煽りだったのな。
店長は服飾の専門学校行ってた人でな。次の日には着なくなった服をたくさん持ってきてくれてな。
後に知ったのだけれど、その店長が良く服を買うブランドはギャルソンだったと知る。あの日持ってきてくれた服は結構良いブランドのものだったのではないかと思うと、とてつもなく鬱になる。ヲタというのは自ら様々なチャンスを逃してしまう傾向があるけれど、これもその一例なのかもしれんね。
んで、バイト先の女の子に惚れる。映画に誘ってみる。意外にもOKをもらえる。
服をなんとかしなければと思って駆け込んだのはジーンズメイト。一番安い黒のパンツを買った気がする。上には手持ちの良く分からんグレーのタートルネック。今思えば色的にはモノクロだな。しかし靴はボロボロのスニーカーでな。もちろん髪型も変わらない。
その後調子に乗ってディズニーにも誘ってみる。えらく感激される。
服をなんとかせねばということで、行ったのは同じくジーンズメイト。9.8kの安いコートを買ったな。あとはイトーヨーカドーで靴を買った。一番安い革靴な。つまりは高校生が良く履いているスリッポン。漏れはなんてお洒落なんだ、とか思っていたな。
んでディズニーへ。
クリスマスだけに混んでいる。
待ち時間が長い。
話が続かない。
喫煙。
明らかに嫌な顔をされる。
告白。
失敗。
拒否。
そしてその1週間後にはその子がバイトにこなくなってな。
そして禁煙。
・・・去年の夏だっけか、突然服をなんとかしようと思い立つ。きっかけは良く覚えていない。夏前にメル友と何かあった気がするが、誰とのメールがきっかけだったのか覚えていない。つーか漏れはこの時点でメル友探しに凝っていたんだな。畏れ。
ともかく、自分で服を買いにいった。ユニクロな。
買ったのはダボダボのジーンズとバッグだっけか? 大き目のサイズを買うというヲタの習性が抜け落ちていなくてな。
帰る時には
「ユニクロの服を持って家に帰る時代の最先端を行く漏れカコイイ」
とか思っていたような気がする。
この頃ここを知った。
Yahooで検索してな。
何箇所かのファッション関連サイトを回ったのだけれど、惹かれた理由はもちろんヲタ脱出マニュアル、という形式であったから。美容院に行こう、とか、そういう事まで書かれていたしな。@ふぁで蓄積されたノウハウに基づいた脱ヲタファッション作戦がここから開始される。
まずは初めての美容室だ。
電話予約は普通に出来たな。聞かれたことをこたえれば良いだけだしな。
しかし問題は
「今日はどうしますか?」
みたいな事を聞かれた時だ。
なんと答えたかはよく覚えていない。
「短くしてくれ」
くらいしか言っていないような気がするな。
この時は適当に短く切って、更にザクザクすいてもらってワックスで適当にセットもしてもらった。それなりの髪型に変身した漏れカコイイ。おしゃれだね、とは言われないけれど、ださい、とは言われないような髪型になった。漏れのかっこよくなりたいオーラを感じ取ってくれたのだろうね。ありがたい(; LД`)
次に行ったのは靴屋だっけか。ABCマート。もちろんオルスタの黒。これも店に行って店員呼んでサイズを伝えて持ってきた靴を試着してみて購入。なんら問題は無い。
つか、初めて特定の靴を選んで買ったな。それまでは一番安い香具師を買っていたからな。
お次は無印だったな。
買ったのは洗いざらしとカーディガンだっけか。
この頃はもろに推奨な格好をしていたな。穏やかな音楽が流れていて結構雰囲気があったけれど、落ち着き払って行けば大丈夫。
できるだけゆっくり歩いて、品物をゆっくり見る。
と言っても当時の漏れはそこまでできていない(;´Д`)
そして冬が近づいてきてな。
ユニクロのニットとか無印のニットとか買ったね。コートを買う金は無かったので以前にジーンズメイトで買ったコートで乗り切る。
平行してここにも常駐し始めるのだけれど、出てくる横文字の大半は意味が分からなかった。
アニエス行きてEEEEEEEEEEEEEEEEとは思っていたけれど。それ以前に百貨店にすら入れない漏れカコワルイ。奥に広がる白亜の大空間が漏れの入店を拒むのな。コワイコワイヒー(;´Д`)
あの白いのがアニエスか。
次の日。
今日はちょっと間近で見れたな。
またまた次の日。
隣にあるスターバックスから店の様子をうかがう。
店員かっこよいな(;´Д`)
板でも
「辞意そろそろアニエス突入すれ」
とか言ってもらえるが、怖い物は怖い。
そんなこんなでもぐオフが開催されるというので行ってみる。
低く渋い声で
「こんばんわ」
でな。
その中には漆黒の大宇宙が広がっていてな。美しい光沢の高そうな革靴が綺麗に展示されていてな。それを試着する幼女がいてな。店員となにやら話し込んでいてな。その間延々と待つ漏れがいてな。
しょうがないのでケースの中の財布を見ていると女性店員が近づいてきてな。
「(゜∀゜)!”#$!!%!$%”!$%!”$!#”」
(;´Д`)何言ってるのか分からなくてな。あまりの緊張に腰が痛くなってな。
しかしながら、そのオフで得たものが一つあった。それはグッチの路面店の恐ろしいまでの雰囲気を体験できたという事。あれに比べればアニエスの雰囲気など怖くない。むしろアニエスのそれは清潔感漂う白い壁が(略
しかしまだかっこいい店員が怖い。否、店員とトーク出来る自信が無い。という訳で適当に店の中を把握して足早に店を出る(わ だって服が綺麗に折りたたまれていて広げて見るのも躊躇われるし(;´Д`)
「漏れは客なんだ。買う物はちゃんと見なくちゃ分からないじゃないか(;´Д`)」
と自分に言い聞かせつつ二度目の突入。
板で「アロハシャツが結構良い」という話も聞いていたしな。具体的な見るべきアイテムが分かっていると突入し易いな。 そのシャツを見ていると女性店員が近づいてきて
「(^Д^)それは!#”$”#$!$!」
みたいな説明が始まったが、よく覚えてはいない。
しかし、パンツの合わせ方なんてのも言っていたし、
「(゜∀゜)あんたう気あるのぉ?」
みたいな怖い雰囲気ではなかった。むしろ優しいお姉さんの声に安らぎを感じる(*´Д`)
「ちょっと考えてみますー」
と言って店を出る。
ふむ、そろそろ買えそうだな。
という訳で三度目の突入。(わ
今度は男の店員さんだったな。実際にベージュのパンツなんかも持ってきてくれてあわせたらこんな感じになりますよー、とかの説明をしてくれた。
そして
「良かったら試着してみませんか?
と言われる。
そろそろ買わないと始まらん。と思い、試着。
試着室から出てきて鏡で見る。また合わせ方などを教えてもらう。じゃあこれ下さい、と言う。
支払い。
脱出。
てな感じで始めてのアニエスでのお買い物終了。
つか、黒パン買ってないな(;´Д`) 何故かというと漏れは虚弱ではなく、体重は健康体重の上限ギリギリ、細いと言われているパンツがはたして履けるのだろうか?という理由から。
なので、ここからお買い物と平行して本格的なダイエット開始。朝食はカップのヨーグルトのみ。
ここからアニエス見たり、ポール屋さんを見たり、丸井に突入していろいろなブランドを見たり、と言うことを始めた。「漏れはブランド物であるアニエスのシャツを着ているんだぞゴルァ(゜Д゜)」
というのが自信になっていたし。
しかしながらまだ店に入ってざっと見るだけなのな。何故なら服に関する基本的な知識がまったくと言っていいほど無いから、服をじっくり見ても良く分からない。
板で
「も前のレポは主観のみでまったくもってつまらねけ(゜Д゜)
ここら辺は今もまだ修行中。素材感なども含めてまだ全然分からないし。
そして服屋を巡り、帰ってきて板でレポするというサイクルが始まりつつあるのが現在。実際に服屋を回るようになるとイメージが恐ろしくわき易くなる。やはりファッションはまず最初に服ありき、という誰かの言葉は真実だな。今になってようやくその言葉の意味するところがわかりかけてきた。ちょっとだけな。
ところで、服にほぼ全収入を投入するようになった現在においても女の子と話す機会はめったにありません。
つまりはそういう事です(わ