はてなキーワード: 和歌の浦とは
もともと今の和歌山市に「わかのうら」という地名(つーか海の名前)があったんだよ。万葉集に出てくるよ。字は「若浦」になってるけど、音をあてただけなのでなぜ「わかのうら」と呼ばれていたかは不明。なお、その時代に、漢詩に対する「和歌」という概念は(多分)まだないので、「和歌の海」という意味ではないと思われるよ。万葉にも歌われたので、「わかのうら」は歌枕として有名になったよ。
戦国時代に、ここに城を構えた秀吉が、城の名前を付けるときに、あの有名な歌枕「わかの浦」を見下ろす山の上の城だから「わか(の)やま」だな。ハッハッハッ、ということで「わかやまじょう」と名付けたよ。そのせいで、「わかやま」という名前が出来たよ。
だから、「わかやま」の「わか」は、「わかのうら」の「わか」に由来するのは確実だけど、「わかのうら」の「わか」が何を意味したかは、今となっては分からないよ。ただ、今で言うところの「和歌」というハッキリした区分意識ができたのは万葉集よりもう少しあとだと思われるので、(たぶん、平安時代、紀貫之の頃だよ)「和歌の浦」という意味ではなかったと思われるよ。