定食屋の片隅で朝定食を頂戴していると、トイレの前で人がうろうろしている。
どうやら食後にお手洗いを済ませる算段だったらしいが、すでに誰かが入っているのでそのまま店を出て行ってしまった。
すると、その数秒後にトイレから人が出てきて、同様に店を後にした。
あと数秒待っているだけで、トイレを求めて彷徨わず済んだのにと思うと、
わずか数秒で揺らぐ運命というものに畏敬の念を抱かざるを得ない。
これがトイレの満室や電車の乗り過ごしならまだしも、もっと大きい何かをいつの間にか失っているのかもしれない。
きっと、知らない方が幸せであろう。
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