ウサギは、自分の食べる草を与えるわけにはいかないので、
自分の身体の肉を差し上げようと考えて、バラモンが来たときに、
「あなたは、行って薪を集め、火をおこしてから私に知らせてください。私は火の中に飛び込んで私の肉を差し上げます」と言って、
バラモンがおこした炭火の中へ飛び込むときに、
「私の毛の中に生き物がいたら、それらが死ぬことがないように」
と三度身体を振ってから、炭火の中へ身をなげました。
ところが、その火はウサギの毛を1本も焼くことなく、まるで雪の中に入ったようであった、といいます。
サッカ(帝釈天)は、ウサギの優れた行いが永遠に知られるようにと、山を搾って汁を取り、円い月面にウサギの姿を描きました。