猫は甥っ子より一歳年上で、赤ん坊の頃から甥っ子を見守り、よく一緒にいた。
甥っ子が四歳になると姉夫婦は転居し、それからは盆や正月になると遊びに帰って来るようなった。
甥っ子が六歳になると私たちはお年玉をあげるようになり、甥っ子はえらく喜んだ。猫はそれを傍で不思議そうに眺めていた。
そして今年も当然、お年玉をあげた。
甥っ子はとても喜んでいて、でも傍に猫の姿はなかった。
あれ?さっきまではいたのに…と周りを探してみたものの結局見当たらなかった。
翌日。軒先に雀の死骸があった。
猫はいつの間にか帰ってきていて、満足げな表情でスヤスヤ眠っていた。