2024-01-03

甥っ子より年上の猫がいる

猫は甥っ子より一歳年上で、赤ん坊の頃から甥っ子を見守り、よく一緒にいた。

甥っ子が四歳になると姉夫婦は転居し、それからは盆や正月になると遊びに帰って来るようなった。

甥っ子が六歳になると私たちお年玉をあげるようになり、甥っ子はえらく喜んだ。猫はそれを傍で不思議そうに眺めていた。

そして今年も当然、お年玉をあげた。

甥っ子はとても喜んでいて、でも傍に猫の姿はなかった。

あれ?さっきまではいたのに…と周りを探してみたものの結局見当たらなかった。

翌日。軒先に雀の死骸があった。

はいつの間にか帰ってきていて、満足げな表情でスヤスヤ眠っていた。

これはもしかして甥っ子へのお年玉なのかもね、と母が言い、なんだかとてもほっこりした。

雀は甥っ子と猫に気づかれないように処分したけど、ちゃんと甥っ子のことを想っていてくれたんだなと思うと嬉しかった。

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