■檀公の三十六策は走ぐるを是れ上計とす
三十六計逃げるに如かずの元の言葉で、『南斉書』の王敬則伝が出典。
檀公は宋の高祖劉裕に仕えた建国の功臣のひとり檀道済のことで、三十六計は檀公が書き残したとされる兵法書。
その兵法書に記された三十六の策略のうち、最後に記されたのが「走為上」、万策尽きたときは逃げるのが最善の策だということ。
この万策尽きたってのが大事なところで、単に「逃げるが勝ち」だの「逃げるは恥だが役に立つ」と言ってるだけでは、
まだ打てる手があるにも関わらず恐怖にかられて逃げ出してしまうやつを自己正当化させるだけになる。
策が尽きたなら兵を損なう前に迷わず逃げろ。
裏を返せば、逃げる前に策を尽くすことこそが戦いなのだ。
ろくに状況を観察もせず戦術を練ることもなく勝ち筋を見出すことも諦めて逃げるのはただ尻尾を巻いて逃げたに過ぎない。
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