2020-06-12

とにかく、腹を撃たれた。しかし、どくどくと出てきたのは血ではなくカスタードクリームだった。溢れ出すクリームをなんとか飲もうと必死で傷口に頭を近づけるが、腹を曲げるので余計に漏れていく。ならば地を這ってでも零れたクリームを舐めとろうと考え、うつ伏せを試みるも、体躯ねじるのは更に良くないと気付き、もがくのをやめる。いつの間にか体表にはビニール袋のように複雑な折れ目と無数のシワができている。もはや少しだって動くことはかなわないだろう。バニラ香り漂う中ただ一人、ああ俺の中にはカスタードクリームしか入っていなかったのだなあ、なんとくだらない、…とつまらない気持ちになってきた辺りで目が覚めた。

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