2020-02-03

タコ足跡

ある猟師が、森でタコ足跡を探していた。最初のうちは8本あった足跡が、7本6本と減っていき、やがて2本になり途中で途絶えてしまった。まだ近くに続きがあるはずだと辺りを見渡すと、森の中に教会があった。教会の前には斧を持った神父がいて、こちらをジッと見ている。猟師神父に言った。「タコ足跡を見なかったか?」すると神父は「よし、今からライオンのところへと連れていこう」と答えた。突然のことに驚いた猟師はその場を後にしようとしたが、「先日はご馳走をありがとう、今度は私がご馳走するからいらっしゃい」と神父に半ば強引に教会の中に連れられてしまった。仕方なく猟師はその場で地面に倒れて死んだふりをすると、神父は泣き出し「ロバの運命が、私にこの分けかたを教えてくれました」と言って暖炉に飛び込んだ。しばらくすると黒焦げになった神父遺体が七輪の上のスルメのようにそり返り、そこで猟師は気がついた。「どおりで2本残ったわけだ」

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