「申し訳ございませんが、私は字が読めないのです」と答えた。
召使いはその場でクビになった。
そこで彼は街へ出て、茶屋を探した。落ち着いてこの不幸と向き合うために。
ところが一軒も見つからない。この小さな街には自分以外にも茶を飲みたがっている者がいるはずだ・・・
そう考えた男は自分で店を開いた。
茶屋はたちまち人気となり、男は店をチェーン展開し、大金持ちになった。
ある日、出納役に書類のチェックを頼まれた男は、文字が読めないと答えた。
耳を疑った出納役は、「文字が読めないのに大富豪になれたのなら、文字が読めたら何になっていたと思いますか?」と聞いた。
男はこう答えた。「間違いなく、召使いになっていただろうな」と。