田舎の実家では、法事となると親戚を集めて宴会が催されていた。
なんせ田舎なので家が無闇に広くて、襖を外して30畳くらいの和室を作ってワイワイやる感じ。
そこではいつも、仕出し弁当屋さんが持ってくるお膳を食べていたのだが、どれもこれも作り置きで冷めていて、固形燃料の土瓶蒸しが辛うじて暖かさを得られた。
冷めた料理の中でも、伊勢海老を半分に切ってグラタンぽく焼いたやつ(料理名がわからないが洋食ではない)がとりわけ食いづらくて悲しかったのを覚えている。
大人になった今なら、酒を飲みながら、大人同士の話をしながらであれば、あのお膳も美味しく食べられるのかな、と思うのだけど、あの場にいた爺さん婆さんたち、みんな亡くなったんだよなあということに気づく。
今は、あれはなんだったのか、を確認できないのが悲しい。
女連中が炊事に駆り出されるもんじゃなかったのか 冷えた弁当と女のみ強制労働 どっちがいい?
このような場所で生活している甥っ子姪っ子がかわいそうでならない