2016-02-03

まるの記憶

年があけてすぐ、近所の河原散歩していたら、石の上ですっぽんが甲羅干しをしていた。

へー、すっぽんも甲羅干しをするんだと思って近づくと逃げない。

よくよくみると、手のひら程度のまだ子供のすっぽんだったので、

家に持ち帰り、育てて、食ってしまおうと考えた。

そっとすっぽんを手づかみしても逃げないしあばれない。

これはしめしめと思って、コンビニで買ってきたパンはいっていた袋にいれて持って帰った。

持ち帰ったすっぽんはとりあえず熱帯魚が入っていた水槽にいれて、

母を呼んできた。

「すっぽんを捕まえたよー」


どれどれ、どれだいと母がててててーと水槽にやってきた。

「ああ、これはすっぽんだねぇ」

母は当たり前のことを口にする癖がある。

「育てて食べようね」

母はわたしの考えていることがお見通しだった。

すっぽんにも伝わったのか、いままでじっと底に沈んでいたのに、

水槽をぐるぐるぐるぐると泳ぎだした。

母はあわてふためいてる様なすっぽんをみて「あははは」と甲高く笑いだした。

わたしはそれをみて何故かゾッとした。

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