2015-05-13

嵐が去った。

まだ風はそよいでいる。

いささか酔いすぎていて、いささか煙草も吸いすぎている。

目を降ろすと、白黒の斑猫が濡れた道ばたに鼻をすって嵐の土産を探しながら、足取り軽くガード下巡回している。

深夜だ。

風に怯えて徐行していた車両の連なり、その窓で、

ひとりひとりが座ってうなだれスマートフォンを弄んでいた東海道線京浜東北線も、今は走らない。


どこかで空き缶の音がする。まだ、風にそれくらいの勢いは残っている。


明日、私には予定がない。明日から、が正しい表現か。

斑猫を愛おしく思えたことは、あと数日酒の肴にできる。

それをしあわせと言うつもりはない。趣ともいいたくない。

ただ、酒に酔うことの悦びの記憶

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