「かわいそうに」って言葉がウザい。
この一言は誰にだって簡単に思いつき、簡単に人を傷付けられる。自尊心の高い人間なんてイチコロだ。
この言葉で一体何を伝えたいのだろう。「あなたは私より下ですよ、かわいそうに」ということか。
一見馬鹿で向こう見ずで失敗ばかりする人間を、俺は「かわいそう」だと言わない。何も考えずこの言葉を発する人間に対してさえ、決して「かわいそうに」だと蔑んだりしたくない。
ただの幻想でしかないかもしれない「上」を目指す人間を、絶対に「かわいそう」と蔑んだりしないでほしい。その目指す先がデタラメであったとしても彼の歩みは今ここではないどこかへ確実に続いていくものだから。
彼はきっとあなたの言葉を真面目に受け止める、そうするとパニックになる。哀れみは何も生み出さない、それどころか脚を引っ張ってその人を奈落に引きずり込む。
もしあなたが彼の進む方向が正しくないと思うなら道案内をしてあげてください。誇りを傷付けないで。