2011-10-25

愛すべき人のこと。その5

日が空いてしまたから、少し前の話になる。

彼女が彼と喧嘩をしたらしい。

僕と彼女出会う前から、もうガタガタだったのだから時間の問題だったのだ。

僕はそう思っていた。彼女はそう言った。

それを僕も彼女も心のどこかでわかってはいたけれど、僕はそれでも彼女を応援したかった。

彼女幸せを心から願っていたから。

それからしばらく経ったけれど、彼女はまだ彼を忘れられないという。

そんなこと分かってる。あたりまえのことだ。

すぐに忘れられる方がどうかしてるから、正常なことだ。

僕も、あの人のことをずっと忘れられなかった。

それはお互い様だね、と、僕たちは後に実感することになるが。

僕は、僕と彼のどちらかを選べとか、そういったことは一度も言ったことがない。

言わないのが鉄の掟、ってやつだろうか。

どちらも好きならそれでいいのだ。充分嬉しいと感じられる。

から彼女がまた彼とうまくいく方法がないか考えたが、どうも踏み切れないようだった。

当たり前といえば当たり前だ。彼女のほうが怒ったのだから

僕は、今までたくさんつらい思いをさせられてきたから、怒ったっていいと思うけど。

何でもかんでも許すだけじゃなくて、ちゃんと言えなきゃ。

遠慮するのはよくないよ。

僕が願っているのは彼女幸せになることだ。

不幸になってまで、つらい思いをしてまで、彼に執着することじゃない。

から、何が何でもこうしなければならない、ということはないんだ。

僕は彼の代わりにはなれないし、彼女もそんなことわかっている。

でも、僕のことも好きでいてくれたら、幸せだ。

彼との思い出を割り切ることができない気持ちも汲み取りたい。

これからどんな心境の変化があるのかわからないけれど、僕はそれを一緒に見ていきたいと思う。

少しずつ、自然に変わるのを見ていこう。

思い出して辛くなったら、僕がそばにいるから。

代わりにはなれないけど、そばにいるから。

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