今、最もホットな話題の1つに普天間基地問題があり、毎日のように新聞やテレビ、国会質疑で取り扱われている。この問題は自分が日記を書いてみようと思ったきっかけでもあって、自分の考えを書くことでそれに対する反対意見や感想をできるだけ多くの人から聞いてみたいと思う。要旨を記事の一番最後に載せてます。
まずはこの問題を時系列で整理する。
(出典:[wikipedia:普天間基地代替施設移設問題]より作成)
現状、鳩山政権は5月までに移転先を決めると明言しているけれども、候補地であった名護市は反対しており、残り4か月で移転先どうやって決めるのか等々と混迷している状態である。
この問題の理想的な解決策として次の記事が分かりやすいと思った。
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/2010012
今から沖縄に基地を作ること、綺麗な海をコンクリートで汚染することが本当に正しいのか?
いいえ、全く正しくないと思う。
地元の人々が反対するのは素直に理解できる。経済活性化を目的として基地を受け入れる人が多数いて、事実、名護市の選挙結果も互角だったではないか!と主張する人もいるけど、経済の問題は基地問題の本質ではないと思う。
経済的に苦しいから基地を受け入れるしかないと決め込む前に、逆に綺麗な海を活かした観光業を興そう!という考えは、自分にとってはしっくりときて、そういう意味では今回の名護市長選挙も納得のいく結果であった。
ただ、現実的に考えると、選挙結果を受けて、この現状にて、最も利を得ているのは米軍であり、逆に最も可哀そうな立場にいるのが沖縄の人々だとも思う。以降、そう考える理由を挙げる。
今後のシナリオは次のうちのどちらかになると思う。
なぜ、この2案に絞られるのか。政府は5月までに移転先を決めると言っているが、現実的に厳しいからである。辺野古地域に決める時は、候補地から確定(日米合意)に至るまで7年もの月日がかかった。今から5月までに、日本政府も、移転先住民も、そして当然であるが米軍も納得できるような基地移転先が決まるはずがない。国外?もっと難易度が上がる。海兵隊と一緒にヘリ隊をグアムに移転しろ?これにはアメリカの合意が必要になるけれどもこれも無理だ。アメリカは普天間基地をグアムに移転するぐらいなら、合意しないでだらだらと未解決なほうが都合がよいから(後述)である。
以上の理由で、辺野古に移転するか、普天間のまま留まるかのどっちかしかないのだ。
既にA案が現実になろうとしていることが平野氏の発言から伺える。
http://mainichi.jp/area/okinawa/news/20100128rky00m010007000c.html
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&rel=j7&k=2010012700624&j1
平野氏は明らかに辺野古への移転を考えていると思われるが、彼は他の移転先候補を見学した人物でもある。
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20100110AT3S0901D09012010.html
現実を見た平野氏は思ったのだろう。「ああ、こりゃ辺野古しか無理だ」と。一連の平野官房長官の言動は、仮に辺野古への移転が決まった場合への緩衝剤となろう。「やっぱり辺野古へ移転するのか」と県民はショックを受けるだろうがそれを少しでも抑えるために、移転反対派が選挙で決まって早い段階でそういった発言をしたのではないか。
仮にA案となった場合、アメリカは日本に日米合意以上のものを要求するだろう。「日米合意をただ先延ばしした結果となり、発生した維持費や追加費用を払え」とね。
さて、もう一つ可能性としてあり得るのがB案であるが、これは沖縄、辺野古がとても強く反対し、政府がそれを受け入れた場合に起こりうる(可能性としてはA案より小さいと思う)。この結果が沖縄に与えるダメージはA案よりも大きいだろう。
そもそも、なぜ普天間基地移転問題が発生したのだろうか。理由はいくつかあるが、もっとも注目すべきは、基地と住宅地の距離が非常に近いことだ。Google Map「普天間基地」と検索してみてほしい。
一目見て分かる通り、周辺には小学校、中学校、大学、自動車学校が点在している。事故が起こるリスクは絶対にゼロにはならない。だから、早期に基地移転が望まれるわけであるが、移転先について、移転先住民とアメリカと日本政府の間に合意が生まれない限り、実現しないだろう。アメリカの視点から見れば、アメリカは普天間基地から移転することに前向きではないので、このまま普天間基地から移転しない案を歓迎するだろう。
もしB案になるなら、それ以後、こんなシナリオが考えられるだろう。
<ここから妄想>
世論の反対も強く、鳩山政権は2010年5月までに移転先を決めることができずに、普天間基地の移転計画は凍結となった。それからX年後(Xは明日かもしれないし10年後かもしれない:ブラックスワン)、以前から懸念されていたことであるが、普天間基地周辺にて軍事機が学校施設に墜落した。地元住民は怒り狂い、政府は混乱する中、米軍は次のような会見を行った。「この事故を回避する努力をしていました。2005年には普天間基地から移転することに我々も同意しておりましたが、2010年に日本側から拒絶されました。誠に遺憾です。」
議論の結果、早急に移転することで合意に至った。
さて、移転先はどこにしましょう。
今回は移転先を選ぶ猶予がない!過去に基地移転計画があった名護市しかない!→A案につづく
<ここまで妄想>
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長くなりましたが、まとめると次のようになります。
まあ、いずれのパターンでも沖縄の人々や日本国民は損しますね。これは戦争に負けたからどうにもならないのでしょうか。残念です。
追記で思うことは、基地移転に反対している人々には、移転にはいずれにしろ米側の合意が不可欠だという視点が欠落していることっすね。政府も移転先を5月までにみつけると言っているけれども、その移転先に米軍が納得する必要が生じるわけです。そこを無視しちゃ何も始まらない。米軍が反対しておしまい。
> これは戦争に負けたからどうにもならないのでしょうか。 何を言っているのだろうか? 自国の力のみで自国を守れるだけの防衛力を持つことを放棄しているからこそ、どうにもなら...