2009-07-25

とある県の、とある県庁所在地に住んでいる、20代後半男性「俺」の話

公共事業を持って来て、地元経済活性化お約束します!!」

地元選出の国会議員(自民党の中でもそこそこ有力者)のこのような発話に対し、脂ぎったオヤジたちが「おおーー!!!」と叫ぶシーン。地元ニュースでこんな光景を見た。これが、自分政治判断を行う際の原風景となった。

俺は、地元高校卒業し、地元国立大学に進学した。そして、選挙権を取得したばかりの頃、自分が住んでいる市の首長選挙があった。地元新聞を購読していた俺は、市も、県も、財政状況がヤバイことをなんとなく知っていた。そして、通っていた大学教授も、市の政策担当スタッフの一員とかで、講義中にも、とにかく収支状況がやばいと話していた。俺は、自分過去に見たニュースを思い出した。そして、市の財政状況を調べた。ネット社会になって、PDFが多少時間を食うのを除けば、すぐにでも情報アクセスできた。

俺は、絶句した。信じられない赤字状況だった。市だけではなく、県も調べてみた。市よりももっと酷かった。とてもじゃないが、返還が不可能だと思った。

何にお金を使っているのか。もちろん、人件費医療費は大きな割合を占めていた。しかし、もっと衝撃だったのは、公共事業の割合の高さだった。市のサイトで、当時の公共事業費の割合を調べてみると、人件費医療費よりも高額だった。

しかし、地元に新しいスポーツ施設や新しいコンサートホールなど、箱モノは建設されるが、スポーツ施設も、コンサートホールも、既に地元の中心街の近くに存在していた。そこそこの規模の市にとって、利用目的が重なる施設は、3つも4つも要らない。そして、前の市長時代に建設した歴史博物館も、小学生地元学習しかいかない。当然、観光客も寄り付かなかった。

赤字体質はこのせいか。国の財政赤字が解消できないのも、この人たちが有力な票田だからか、と。俺は、この時、いつも脳裏に浮かぶ、脂ぎったオヤジたちをどうにかしなければならないと決意した。

市長選挙は、珍しく、民主系候補と自民系候補の対立となった。自民系候補は、商工会議所の推薦と、前市長の応援を受けていた。自民系候補は、地元選出の議員ともつながりが深く、選挙の際には、財政支出を増やし、公共事業によって景気回復を目指すと公言して憚らない候補だった。あれを造る、これを造る、と。民主系候補は、地元サヨク弁護士だった。小さな政府を実現すると公約に入れていた。

選挙自体は歴史に残る大接戦だった。接戦の中で、民主系候補も途中で政策を変更せざるを得なかった。民主系候補も、公共事業には必要なものがあると、途中で政策変更し、自民系候補の票を取り込もうとしていた。

俺は、途中で政策変更をした民主系候補に嫌気をさしながらも、民主系候補に入れた。結果は、大接戦の末、民主系候補の勝利。文字通り、薄氷の勝利だった。そして、自民系候補に集まった票の多さに落胆した。お前ら、自分が住んでいる市を食い物にする気か、と。今、自分の市は、民主系候補が2期目を務め、当時の公共事業費の1/3となっている。人件費医療費も1割強削減され、赤字解消が進行している最中現在の市債残高は、かつての半分にまで減った。民主系候補が勝利したら景気が後退する、と当時の自民系候補が喧伝していたが、国政レベルの問題は別として、市の政策が原因で景気が後退したという実感はない。

そして、市長選のあとに、知事選があった。知事選は、民主党地元選出の議員を立て、自民党役人を立てた。県は、市よりも財政状況がやばかった。財政再建団体転落寸前だった。この状況を改善しなければならない。これは、両候補に共通だった。流石に今回は自民系候補も、市と異なり、公共事業支出を言うことはなかった。民主系候補は市と変わらず。知事選は悩んだ。財政状況の改善に向けての取組。両者の違いは、どこを削るのかの違いに過ぎなかったからだった。知事選は、最初から自民有利と言われていた中で、俺は、民主系候補に入れた。

結果は、予想通り自民系候補の勝利。しかし、二期目を務めている現在知事も、財政赤字の解消には十分に取り組んでいない。3割近く、人件費抑制は成功したが、選挙の票田に影響するためか、市のように大胆な公共事業の削減はできない様子。赤字団体への転落を寸前で回避し続けている。素直に思うんだが、利用目的がほとんど同じの県の施設と市の施設が同一市内に複数あるって、住民の視点から考えても無駄じゃないか?例えば、市民プールが複数あって、さらに県民プールもある。市民プールを一つくらい削っても、おそらく利用者への影響はない。

さて、Part.1終了。反応はどうなんだろう?次は国政選挙について書きます。続きはまた今度。

  • http://anond.hatelabo.jp/20090725024708

    途中まで読んで面白そうだったんでメモっとく。 まず財政状況や予算の内訳を記載した資料を探し出せたのがすごい。地方自治体のサイトって「わざとか?」と思うぐらいぐちゃぐちゃ...

    • http://anond.hatelabo.jp/20090725030540

      今は公会計って概念が入って来ててある程度見えるようになってきてる 大概は総務省、都道府県、市区町村のHPにおいてある資料です 決算カード 自治体のお金の入り方、お金の使い...

  • http://anond.hatelabo.jp/20090725024708

    でも日本全体で見ると21世紀になってからはずっと減らされてて、GDP比公共投資は戦後最低レベルまで下がってたはず。財政赤字は税収の低迷と社会保障費の増加による面が大きいのにい...

    • http://anond.hatelabo.jp/20090725072429

      確かに麻生以前は公共投資の額は減っていたが、今度の補正予算で小渕並みのバラ撒きを強行した。「いまだに公共事業さえ」という過去の話ではない。 小渕のバラ撒きをその後の努力...

      • http://anond.hatelabo.jp/20090726144839

        「デフレ不況」というからといって公共事業推奨ばかりではない。 金融緩和オンリーでいいという人もいれば、財政は減税中心がいいという人もいる。 あと管理通貨制では自国通貨も無...

  • http://anond.hatelabo.jp/20090725024708

    一部で俺の意見は違う部分がある。 箱物行政が赤字の原因というのは、微妙に違う。 日本の基幹産業、税収の根本が、凋落しているとはいえ自動車産業や建設業だという事実にある。 ...

  • http://anond.hatelabo.jp/20090725024708

    「とある県の、とある県庁所在地住んでいる、20代後半男性「俺」の話」Part2国政選挙編を投稿しようとしたら意外と反応があり。実はPar1地方選挙編が増田初投稿でした。批判でも反応が...

  • http://anond.hatelabo.jp/20090725024708

    なんかいろいろおかしいねえ。元増田がおかしいんじゃなくて、日本の政治状況が。 民主系候補は、地元のサヨク弁護士だった。小さな政府を実現すると公約に入れていた。 地方選挙...

  • 名古屋城天守閣改修工事に500億円。

    http://unkar.jp/read/gimpo.2ch.net/wildplus/1245634461 名古屋市の河村たかし市長は、名古屋城天守閣の改修工事を木造でやると言っている。その費用が500億円。 いまの名古屋城はコンクリート...

  • とある県のとある県庁所在地に住んでいる20代後半男性俺の話。国政選

    さて、国政選挙編。 http://anond.hatelabo.jp/20090725024708 http://anond.hatelabo.jp/20090726002306 このエントリ↑の続きです。 俺は、上記のエントリからも予想がつくと思うが、国政選挙では、小泉流...

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