2024-03-18

高速道路の橋脚の半円

高速道路の下にある道路を通って帰っている

その道はなだらかな坂になっており、高速道路の橋脚も坂に沿ってその部分だけ20mくらいの長さの壁のようになっている

信号で止まっているときに、たまに高速道路の橋脚を見上げることがある

橋脚のコンクリート肌は全体的に薄汚れていて、灰色が濃くなっているが、上部の方に弧を下にした半円が汚れを拭うように白い線を描いているのが見える

それが目に入るたびに以前の思考を忘れて、この半円ってなんでだっけかと考える

そして、半円の上にツタや木などの植物の枝が垂れさがっているのを見て、この植物が円を描いたのだと思い当たる

横に長い橋脚の上の方、車道を仕切る壁からはみ出した部分は土が盛られていてそこに自然に木や草やツタが生えているのだ

そこから下に伸びる枝が風に揺られて、橋脚のコンクリート肌にこすり付けられて、可動範囲分の汚れをこそぎ落とす

植物の根を支点に枝の可動域を半径とした弧が風が枝を揺らす勢いで描かれて、跡が残るのだろう

その証拠にツタや枝の数だけ、その長さ分の半円が並んでいる

ちょうど車のワイパーが描く半円の上下逆だなとか、風と枝がコンパスのようにきれいな半円を描くのは不思議に感じるなと思った

信号が変わって、帰路をたどり、帰宅して、どうせまたなんだっけこの半円と忘れそうなので書き留めておくことにした

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