小学4、5年生の時、「レタスに何をかけて食べるか」という話になった。
何かの実習のような授業で、グループ毎の話し合いの時のことだった。
だいたいの人はマヨネーズ、ドレッシングだったのだが、それらの意見が出た時、
一人だけ黙って下を向いている女の子がいた、明美ちゃんだった。
(本人は古臭い名前と恥じていたが、周囲の男の子は美人の明美ちゃんを悪く言う者などいなかった)
笑われるようなことは無いから言ってみて、教えてよと言っても何も言わなかった。
暫くしてから僕もそっと聞いてみた。
ねー、レタスに何をかけて食べるの?教えて欲しいなー。
そしたらぼそっと言った。
「ソース」。
僕も含めてみんな内心驚いていたが、彼女が傷つかないようになのか、みんな平静を装っていた。
その後みんなは家でレタスにソースをかけて食べてみた、勿論僕も。
みんなは旨いと言ってたけど、僕はそうは思わなかった。
レタスにマヨネーズをかけて更に醤油を少しかけて食べるのが一番旨いと思っていた。
明美ちゃんとは帰る方向が一緒だったので、並んで帰りたかったけど、
みんなにいじられるのが嫌でワザとタイミングをずらして帰ったりしていた。
帰り道、なぜか目が合う事が度々あったし。
とんかつ キャベツ ソース