数年前、高層ビルの高層階にある広いオフィスに勤めていたのだが、セキュリティドアがやたら多くてダンジョンみたいな場所だった。
区画が大まかにAとBに分かれており、Aは残業が多い部署、Bは早帰りの部署が集められていた。
自分はA区画勤務だったのにロッカーはB区画にあったため、残業した場合は会社支給のLEDランタンを持ち、既に全員帰って誰もいない真っ暗なB区画を通ってロッカーに行くのが常であった。
しかしある夜、カードキーをうっかり忘れて丸腰の状態でロッカーへ向かってしまい、セキュリティドア同士に挟まれた狭い廊下に閉じ込められてしまった。
勤務中のスマホ使用は禁止なので、ロッカーの中である。このまま廊下で一晩過ごすしかないのか。大ピンチ。
が、必死にドアを叩いて「開けてーーー!!!」と叫んでいたら、たまたま自分以外に1人だけ残っていた他部署(A区画)の人がおり、気付いて開けてくれた。本当に助かった。