絵を描くのをやめて数年たった。
5年くらいだろうか。もはやどれだけ月日が過ぎていったか分からない。本当にあっという間だ。
とっくに情熱など消え去り、気力もなくなり、ただただ怠惰に毎日を繰り返している。
絵にかわる趣味といえるものが無いわけではない。今の世の中遊ぼうと思えば娯楽などいくらでもあるのだ。
遊び、働き、寝る。
これはこれは充実した毎日ではないか。人生を謳歌している。絵なんて描かずともこんなにも楽しい。
しかし、なんだか胸に穴が空いたようなのだ。何をやっても入ってこない。冷えきってしまっている。
原因は絵をやめたことなんだろう。分かりきっていることだが手は動かなかった。描きはじめれば苦しいに決まってる。
結局何も描くことはできずに絶望するのだ。誰もお前なんかに期待していない。お前より絵を描けるやつなんてごまんといる。
今は淡々と過ごす時期かもしれない