一日やることを終えて、部屋で一人ひっそりと佇む。
それまで忘れていた心の穴が、またぽっかりと空いていることに気付かされる。
そんな時間。
別に何も楽しくないわけじゃない。
少しの間だけでも、何かに夢中になっている時は確かに楽しいと感じる。
ただ心に満たされた楽しさは穴からするすると抜け出ていってしまう。
別に何かが辛いわけじゃない。
理不尽なことで自分に怒る人間は身の回りに存在しないし、生きるのがやっとなくらいに生活が困窮しているわけでもない。
ただその穴はそこに存在していて、大きくなることも小さくなることもない。
また朝が来て、生きる活動を始めれば忘れられる。
一体いつまでこうして自分を騙して生き続ければいいのだろう。
空っぽの心は真っ暗で、前は何も見えない。