2011-03-10

いつもの牛丼屋に入る。

「大盛りと味噌汁タマゴ」。

不細工な中国語人店員が片言で注文を伝え、30秒も経たぬうちに丼が出てくる。

反対側のカウンターを見ると、髪の薄くなったサラリーマン

携帯電話を見ながらニヤニヤ笑っている

タマゴに醤油を入れかき回し、七味と紅生姜牛丼にかける

何も考えない、メシが出てきたら条件反射でかき回して掻きこむだけだ。

アリガトーゴザイマシタ ゴヒャクハチジュエンニナリマス」

茶で口を濯いで外に出る。

牛丼屋の外に出ると、駅前のパスタの店の前に行列ができていた。

黒板の立て看板に「本日 女性お客様半額サービスデー」と書きだしてあった。

列に並んでいるのは、家族連れやカップルが多い。

「ケッ、馬鹿じゃねえのこのクソ寒いのに。」

強風吹きすさぶ軒先でも、誰もが楽しそうにしている。

父は子を抱き上げ、恋人同士は繋いだ手を離さない。

これが食事だ。

食べて心が豊かになる食べ物が、食事だ。

オレが食べたのは、ただのエサだ。

ただ生きるために採った、エサだ。

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