2011-02-17

詰み

あれは、バイト先の同い年の友人達と飲んでいた時だった。

自分達は、疲れを癒しに飲みに行くのがときたまあった。

愚痴りながら安酒をあおり、下らない話を垂れ流していた。

四人いたうち、二人がタバコを吸いに外に行った。

禁煙しているヨウジと、タバコを吸わない俺が残った。俺は疲れと眠気に負け椅子にだらりと浅く腰掛けていた時、

酒に酔ったヨウジが俺に、他愛のない質問をしてきた。

「なあ増田、お前その年でまだチューしたこともねーんだろ?

 そんなんで人生楽しいのか?一回挑戦してみおお、hakffdssak...(もにゃもにゃ聞き取れない)」

しばし考え込んだ。

かにしたことない。だったら何が悪い。と、思いつつも、俺の精神衛生上、間違いなく悪い・・

そのうち彼女くらい出来るだろうと思いつつ、気がついたら年月だけが過ぎていた。

ところで挑戦ってなんだろう。

「挑戦ってなんだよ」

「挑戦は挑戦だ、トライトライ・・」

「だからなにをどうやって挑戦するんだ」

「えっと、好きな子メルアドをまず聞いてだなぁ・・」

「もう知ってる」

「じゃあすぐデートに誘え」

「もう断られた」

「・・っとじゃあ、っとだな・・」

ヨウジが何も言えなくなった後、二人がタバコから戻ってきた。

「何の話をしてたんだ」と聞かれたが、ヨウジは「いや、何でもねえよ」と答えた。

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