2009-02-23

英国の老舗名門紙「インデペンデント」が迎えた経営危機 

英国の老舗名門紙「インデペンデント」が迎えた経営危機 

 マードックも買収を断念、ネットの脅威がペーパー・メディアを襲う

****************************************

 英国新聞界の名門「インデペンデント」紙は、1904年ダブリンで産声をあげた。

 ウィリアムマーチン・マーフィが創刊し、半世紀ほどはアイルランド最大の新聞として育った。

 1960年代に多角化経営を始め、1973年にアンソニーオライリー筆頭株主編集並びに経営権を掌握し、さらなる多角化経営を実践、オーストラリアニュージーランド南アインドへと進出を果たし、出版事業、通信、広告ネット部門にも拡大してゆく。

 経営母体は「インデペンデント・ニュースメディア」(通称INM)。

 2001年にオライリーには女王陛下からナイト爵位)が贈与され「サー・アンソニーオライリー」と呼ばれる。

 現在オライリーは73歳、嘗てはラグビー選手国民アイドル、同時に彼は名門窯業企業ウォーターフォルド・ウェッジウッド会長でもある。「ウェッジウッド」というブランドドイツマイセンハンガリーのヘレンド、日本で言えば九谷か、伊万里有田薩摩にならぶ高級品である。

 サー・アンソニーオライリーは1979年から98年迄「ハインツ」の会長も務め、米国でも有名経営者として知られた。当時の年収は7500万ドル推定。

 2001年から07年までにINMは売り上げを75%伸ばし、インドインドネシアへも進出した。

 2008年、インデペンデント紙はロンドンで14%の購読者減に直面した。

 ちなみに全米七大新聞は、同期にどれほどの部数減に見舞われていたか?

 

 媒体名             部数減少       ネットビジターの増加率

 ~~~~~~~~~~~~    ~~~~       ~~~~~~~~~~~

USAトディ          かわらず        15%増

ウォールストリートジャーナル  々           34

ニューヨークタイムズ      ▲3・6%        6

ロスアンジェルスタイムズ    ▲5・2%       73

ディリーニューズ        ▲7・2        99

ニューヨークポスト       ▲6・3%       60%増加

ワシントンポスト        ▲1・9        12

 ネットへのビジターが増えても購読料は無料、ほぼ全額を広告で補うのがネットへのニュース配信である。たしかにビジターは増えている。しかし広告収入は増えず、一方で紙媒体の読者は激減し、広告収入は劇的に下がる。

アジアでは新聞購読者が増加

 新聞界の広告収入は紙媒体マイナス19・3%、ネットも落ち込んでおり、マイナス3%(おそらくこれは金融不況銀行証券広告が激減したためと見られる。数字はいずれもTIME、2009年3月2日号より)。

 借入金が14億ユーロ(邦貨換算1700億円弱)。ロンドン金融界もウォール街より深刻な資金難に陥っており、救援には動けない、INMは、まず世界新聞王マードックに持ち株を打診するが断わられた。

 世界を見渡すと、しかしながら紙媒体新聞が昇竜のように伸びているアジアの国々がある。

ダントツ新聞興隆はインドだ。

インドで64998もの新聞流通しており、インドネシアでも800の新聞がある。いずれも中間層が急激に増加したからで、中国でも識字率の向上と収入の上昇により、新聞検閲があっても部数が伸びている。

アジアでは世界最大発行部数をほこる読売新聞朝日新聞があるが、部数は減少していることは周知事実。さて明日の新聞、どうなる?

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん