はてなキーワード: 山川とは
通読するのはかなりの苦行だと思う。読んでるうちに、頭が
なかなかいい。というか、(小説以外の)どんな本でも、目次を
じっくり読めば突飛な記述にもそこまでびっくりしないし、
普通の本の読み方。でも大事だと思う。
納得できる気がするけどね。
「解釈学的循環」は、ハイデガーの提唱した言葉である。これは、世界史を学ぶ上で、大切な概念であると思う。
解釈学的循環を簡単に説明すれば、「木を見ないと森が分からないけど、森を見ないと木が分からない」ということ。
このような循環に陥ると、一見理解は不可能なような気がしてくる。しかし、決して不可能なわけではない。
まず、全然理解できなくてもいいから森を一通り見る。そのあと木を見れば、何もしないで木だけを見た時に比べれば、ほんの少しだけ分かったような気になれる。
木をほんの少しだけ分かったようになった状態で、もう一度森を見れば、1回目よりも多少マシな理解が出来る。
その状態で再度、木を見れば、やはり前回よりもいくらか分かった気になれるはず。
これを繰り返していくことで、理解の階段を少しずつ上っていくことが出来る、という考え方だ。
山川の教科書は、初学者にとっては呪文同然だが、それでも無理矢理読むと、そのあとテーマ史の問題集を解いたとき、「あ、この話どこかで聞いたことがある!」というエピソードが必ず出てくる。
その後、再度通史を読むと、1回目は右耳から左耳に抜けていった言葉が、ある程度ひっかかるようになる。
世界史を理解するためには、この地道な作業を繰り返していくしかないと思う。
つまり、
という学習順序ではなくて、
という順序のほうが理解が深まると思う。
3往復もすれば、友達に「世界史詳しいんだね」と呼ばれるくらいのレベルになるはず。
(関連)
リアルタイムで見ていた者から補足。
元々、この一連のtweetは、某早大生が「世界史勉強したい」と言ったことに対して、「じゃあ最近高校生の家庭教師をやっている俺が」という感じで始まったもの。
なので、上の元増田の指摘は全く正しくて、最初から偏差値高めの大学生のために書かれている。
さらに言えば、この二人は元々知り合いなので、相手がどれくらい本を読めるのかということも大体把握した上で書かれている。
なので、実際この後で、「山川通読とか難しすぎるでしょ」というツッコミに対して、「彼なら問題ないと思った」と答えているし、実際に家庭教師をしている時はここに書かれていない様々な指導があるよう。
Togetter - 「高校世界史レベルの知識を即成でインストールする方法」 http://togetter.com/li/69858
ここに書かれた学習法が絶賛を受けているが、ちょっと待てよと言いたい。
まず、総論。「高校レベルの世界史に通暁するとはどういうことか?」という問いに応えましょう。教材研究した結果から言えば、これは三段階の学習を行ったかどうか、になります。レベル1:〈通史〉。レベル2:〈テーマ史〉。レベル3:〈論述〉。この段階で世界史を頭にインストールすればよい。
とあるが、このレベル1からしてすごいものだ。
「善くできた新書のように」読めというが、実際の山川教科書はこのような感じだ。
ナイル下流域のメンフィスを中心に栄えた古王国では、クフ王らが自分の墓として巨大なピラミッドを築かせた。これは神である王の絶対な権力を示している。中王国時代には、中心は上エジプトのテーベに移ったが、その末期にシリアから遊牧民ヒクソスが侵入し、国は一時混乱した。しかし前16世紀に新王国がおこってヒクソスを追放し、さらにシリアへと進出した。(P.25「エジプトの統一国家」)
これを「善くできた新書のように」興味を持って読めるのか?
このあたりは元から興味がある人も多いのでまだ読める方だろう。
イスラム世界での国家の興亡など、教科書のあの記述で興味を持って読めるというのか。
教科書は350ページ以上ある。
大半が「~した。~した。~した。」の羅列でできた文章だ。
「私も実践しよう」と言っている方も多いが、断言しよう、一周さえ読み切る人間はその1割もいない。
なお、あの学習法には、通読が厳しいという人のためのヒントも添えられている。
読むのがしんどい、なぜだろう? と思ったら、山川世界史のリンク誘導を適当にネットサーフィン感覚で飛んでみてください。そのうち、「なぜ山川世界史は電子教科書ではないのだろう?」と疑問に思うほどの学習効果を得られるはずです。そして、現代史まで辿り着けばよいです。
これは実にいい意見だと思う。リンクをつなげるようにして歴史をつかむのは非常に重要だ。
現役の高校生には「別ページのリンク誘導」に意識をして読むことを強く勧める。
しかし、そのリンク誘導が「読むしんどさ」をどのように解消するのか?
ネットサーフィン感覚があれば、読むのが楽になると本当に思っているのか?
この「別ページのリンク誘導」は何も山川教科書だけの専売特許ではない。
「リンク誘導を意識する」という指摘は大切だが、それは決して教科書がよいことにはつながらない。
あと、第2のテーマ史の実践だが、
さて、通史を終えたら、好きな世界史用の演習問題本を一冊、買ってきましょう。これはなんでもいいです。たとえば山川の『私大・二次対策世界史B問題集』http://amzn.to/9vBJI7 とかは、僕が今言っている話に応用しやすいものになっています。
高校教師、家庭教師、塾講師なら仕事にもつながるが、他の社会人には非常に厳しい行為だと容易に想像つくだろう。
これを「素晴らしい方法だ、やってみよう」と書いている多くの人たちは、どこまで本気なのだろうか。
と、ここまで文句を書いてきたが、この学習法を書いた人を批判したいわけではない。
書き手は家庭教師をされているようで、これは実践の伴った学習法なのだろう。
「論述」までも視野に入れていることから、国公立クラスの受験生を指導されているのが分かる。
と言っても、善し悪しは別として納得はできる。
偏差値35から70までの高校生の相手をしてきた自分の目では、この勉強法は偏差値55以上の実力が必要だと感じられる。
ここで強調すべきなのは、「実力の足りない人間が安易な気持ちでやれば確実に挫折する方法論」だということだ。
で、どうしてそのことを誰も指摘しないのだろうか?
それどころか、どうして「すばらしい」「私もやろう」と絶賛できるのか?
教科書を最低二周通読するなどわけもない意欲の高い人たちだらけなのだろうか。
てかさ、「賢く見える意見」にうなずいてるだけじゃねえのか?
腹が立つのは、学習法の書き手さんではなく、周囲の「教科書礼賛」の姿勢だ。
教科書礼賛。教科書万歳。「教科書を読めばいい」という教師とその指導法を安易に認める人たちだ。
教科書を読むだけで理解できる人に、「教科書を読め」というのは構わない。
けれど、教科書は万能なんかじゃない。
だが、そこには絶対に「指導者の解説」が必要だ。
「なぜそれが起きて、どのようになったのか」の流れの説明を加える必要がある。
なのに、「教科書を読めば分かるはずだ」と工夫のない授業をする指導者が多すぎる。
それを助長しているのは、「教科書があれば大丈夫」という安易な考えだ。
そう、これを深く考えず絶賛している人たちの考えだ。
教科書を音読するだけ。
黒板に事実の羅列を書くだけ。
用語に線を引かせて覚えさせるだけ。
そんな授業でどれだけの世界史嫌いを産んできたのか分かってんのか?
「高校世界史をやり直したい人は、まず教科書を通読しましょう」
そんな学習法で本当に世界史をやり直せる大人がいったいどれだけ生まれるんだ?
教科書を買ったはいいが、待っているのは事柄の羅列だ。
それを前にすれば、「世界史は難しい。無理だ」と思う人間を増やすだけじゃないのか?
「教科書を読めばいい」なんて発言が出る人は、きっとすごく賢いんだろう。
俺にはその気持ちが分からん。
工夫のない指導で世界史を苦痛としか思えなくなった生徒たちを俺は何人も見てきた。
解説なしで教科書を読める人間は、上位の限られた層だけなんだ。
えー、あまり自信のない方向けに、簡単な学習法を書きます。
そこで買うのは、あの学習法の方も書かれていましたが、まず「用語集」と「資料集」です。
あの学習法は、「教科書を利用する」という点以外は、非常に参考になる学習法だと思います。
地図を手書きで書いてみるとか、ものすごい大切なことだと思いますよ。
社会人なら、通読が終わった後は興味のある個別の歴史をどんどんのぞいてみましょう。
そっちの方が楽しくて身につきます。
で、あとは通読用の教材を買いましょう。
まずは実際に山川の教科書をじっくり見て、読めるかどうかを確かめてください。
教科書だけですむのであれば、本当にそれが手っ取り早いです。
無理だなと思ったら、高校生用の学習参考書を眺めてみましょう。
そこには生徒に理解してもらうための工夫であふれた書籍が多くあります。
その中から、「背伸びせずに吸収できそうなもの」を自分の目で選んでください。
簡単にできそうなところから一歩ずつ。
歴史を最初から最後まで眺めた――それだけでも大きな財産になるはずです。
書いてもらったコメントを見て思いましたが、
「教科書じゃなく参考書を読め」という自分の意見も、たいして変わりませんね。
漫画でも新書でもゲームでも、何でもいいから歴史に親しめる入り口をまず作る方が大切。
それで興味を深めてから、教科書や参考書で通史の知識をつかむのがいいですね。
通読だって「漫画・世界の歴史シリーズ」から始めて、教科書につなげてもいい。何だってありなんですよ。
自分は参考書が大好きなので楽しめますが、あれでも無理って人はいっぱいいますし。
とにかく、「教科書を通読がベスト」って意見が気にくわないだけで、親しめるところからまず始めるべきなんでしょう。
と、「背伸びをせず吸収できる」とか「親しめるところ」とか、具体的な意見を言わずすみません。
人それぞれいろんな形があると思って、言いづらくなってしまうですよね。ごめんなさい……。