■かんでいい?
はじめてのキスは長いキスだった。
彼女の唇は柔らかく冷たかった。
彼女の舌が僕の唇を割る。ぬめぬめと熱を帯びた彼女の舌が僕のなかに入ってくる。
キスがこんなにも気持良いものだなんて——。
さっきまで飲んでいたお酒の匂いなんてしない。ただただ彼女の匂いがした。
僕は彼女の舌に自分の舌を絡ませる。
僕と彼女は黙ってお互いの口内を貪った。
彼女の細い指が、顎から首、鎖骨へと滑る。
僕はされるがままにシャツを脱がされた。
「ふふっ、思ったより胸板厚いんだ」
彼女が僕の胸に手を這わせ、上目遣いに僕を見る。
「かんでいい?」
「う、うん」
彼女は舌先で僕の乳首をチロッと舐めると唇をつけて——噛んだ。
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