トイレに吊るしてあったカレンダーを一枚切り取るともう4月の日付が出てきた
そう言えばこのカレンダーはふた月を一緒にのせるタイプのカレンダーだった
写真は桜だった
瓶詰めにされたようにその瞬間のまま変わらない桜
凍ったような満開の桜
4月の終わりにはゴミ箱の底にいるだろう桜
俺はお前と出会ってしまった
これから何度も何度もお前と目を合わせるだろう
朝は目を半開きにしながら「おはよう」
夜は夢を期待しながら「おやすみ」
苦しいときも
嬉しいことがあったときも
そうじゃないときも
桜
春が始まるぞ
トイレの壁から春が始まる
Permalink | 記事への反応(0) | 05:14
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