春の精たちの言祝ぐ王宮のほとり
青年まなじりを開いて風に触れる
振り向けば王宮木蔭の清流に歩み
思う在りし日河口の女
市場をみだれ泳ぐ金糸の腰
男の猛禽の眼にただ従う首筋
少年追おうとして追えず香り冷たく包む
川底の砂杖の先端をくるみ
流れにさからって木々の繁みへと向かう
幼きとき庭の絨毯に映えていた少女はいまや老い
たまに訪れる青い鳥はそれでも絶えることがない
薄緑色の水面に下着を浸し
まぶたを閉じて遠く夏草を想う
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