2018-05-02

つの日かの女、いつか来る女

春の精たちの言祝ぐ王宮ほと

青年まなじりを開いて風に触れる

振り向けば王宮木蔭の清流に歩み

思う在りし日河口の女

市場をみだれ泳ぐ金糸の腰

男の猛禽の眼にただ従う首筋

少年追おうとして追えず香り冷たく包む

川底の砂杖の先端をくるみ

流れにさからって木々の繁みへと向かう

幼きとき庭の絨毯に映えていた少女はいまや老い

たまに訪れる青い鳥はそれでも絶えることがない

緑色の水面に下着を浸し

まぶたを閉じて遠く夏草を想う

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