2013-03-20

人を願望の対象とすること

その昔、美人と交際したことがある。

美人はその美貌を自覚している。

当然多くの視線が自らに集まることも知っていて、

からこそ気付かない振りをする。

その視線の多くは、その場限りもの

たとえば「目の保養」といった他意のないものだろう。

しかし、中には少々厄介なもの、たとえば一方的な恋愛感情であったり、

性的想像を帯びた視線も含まれていたであろう。

そして、一度その存在に気付いてしまったら、

視線に映る、ままにならない自らの姿に疲弊してしまうのだそうだ。

から、気付かない振りをする。

彼女が語ったことは必ずしもこの通りではなかったし、

また一般化できるものでもないかもしれない。

から、以上は少なくとも私の理解したところに過ぎない。

というのも、私は人の願望の対象になったことがない。

から、そのような視線存在について知る由もなかった。

そう、私は常に見る側の人間であった。

そして、今もまた人を願望の対象として眺めている。

私の視線彼女は気付いただろうか。

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