2012-10-30

 結局のところ

自分の視界の中で一番自覚のない不幸なもの」を見つけ、

「おまえは不幸なのだ」と知らしめ、

「俺はお前が不幸だからこそ良いと思う」と啓き、

「お前が不幸であるうちは俺は幸せだし、俺が不幸になればお前は幸せになるだろう」と諭す。

 そういう理想なんすか。

 少なくとも、最初はそういうつもりだったんじゃないですか?

 愛を流し込むには、相応の窪みが要るんだって気付いちゃったんじゃないですか。

 でも俺思うんスよ。

 それ、ただくっせえだけの穴じゃないのかって。

 やつらがはやし立ててた深淵ってえヤツなんじゃないのかなって。

 無粋なんでしょ、言わなくたって知ってるんでしょ、それはそれでいいんでしょ?

 もしもそうであれば、まるで晩飯がハンバーグだった小学生みたいにあんた喜ぶんだ。

 あーあハッピーだ、ハッピー

 ちょおハッピーだ。

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