一方本書をはじめとする門倉氏の各著書は、門倉氏の限界をも示している。例えばソープランドの市場規模は、本書では7000億円だが、最新かつそれに特化した"「夜のオンナ」はいくら稼ぐか?"では一兆円弱。門倉氏自身、ソープランドは衰退傾向で、その代わり無店舗の風俗店が上昇傾向にあると指摘しているにも関わらず、より新しい本の推計の方が数字が大きいのは、なんといっても元データの誤差が大きいからである。例えば後者の本では、平均客単価を5万円として推計しているが、ネットでざっと眺めた限り、そして「売春論」を読んだかぎり、平均5万円というのは実勢と比べて高すぎるかもしれない。