2010-06-07

[2010.6.6]

 財政再建の手法。

 緊縮かばら撒きかという両極端な話しかでてこないというのが、不思議な所である。

 財政問題は、公務員や準公務員、老齢の年金受給者や生活保護受給者が増えて、生産性マイナス労働力に対して過大な人件費が国費から投入されるようになるという点に原因がある。これは、産業政策において、既存大企業にとって有利な制度改正が進み、技術製品革新をしなくても市場を維持できるようになり、雇用が減少する事から始まる。工場近辺からの苦情や、特許権著作権といった知的財産権運用や、損害賠償裁判における懲罰的賠償といった制度で、大企業しか存続できない環境が作られてしまえば、現状維持の為の雇用だけしか必要なくなり、余った労働力は、公務員や準公務員になったり、産業機械を買うよりも安価使い捨て労働力である派遣労働者になって搾取されるか、働くのをあきらめて生活保護受給者やNEETと呼ばれるようになるしかない。

 短期的な雇用の減少であれば、公的セクションが雇用を作り出すのは合理的であるが、制度の改正は長期的な影響を発生し、公的セクションの雇用が恒常化してしまい、生産性マイナス労働力雇用し続ける為に税金を使う羽目になるのである。

 財政の再建は、既存大企業にとって有利な制度を改廃していく事でしか、成功しない。

 工場近辺からの苦情は、工場採用する労働者は、徒歩で通勤できる範囲に不動産を所有して居住している者、あるいは、高卒採用を前提に、18年以上継続して居住している者を過半数以上とするというルールが必要である。地域住民を味方につけていない工場が、存続できるわけがないのだ。

 特許権著作権といった知的財産権については、上場企業等の帳簿に信頼が置ける企業に関しては、権利者が公開している単価や利用料を支払いさえすれば利用できるようにする代わりに、権利の有効期限を無くす使い方もできるようにする改革が必要である(cf.[2009.4.22])。

 懲罰的賠償制度については、市場占有率によって上限をつける事で、独占禁止法よりもスマートに寡占を防止するべきである(cf.[2010.1.30])。

 公務員については、使った官僚の面倒を見ないから、天下り先を作って自分の老後を確保しようとするのである。大臣に仕えた次官級の官僚は、市会議員や県会議員へと政党の推薦で転出するべきである(cf.[2009.4.25])。

 高齢者の増加による年金負担の増加については、年金制度国家が運営するネズミ講であることを止めることから始めるべきである。平均余命までは、自分の積み立てた分を使い、それ以上に長生きするのであれば、自身の貯金家族に支えて貰うという家制度を復活させるべきである。親が子供を育てる事に、然るべき動機と理由が無ければ、優秀な若者を増やす事はできない。子供教育責任は親にあり、学校社会は協力しているだけである。親が自分の親の老後を支えていたように、子供自分の老後を支えて貰うという連綿と続く家族の絆を復活させる為にこそ、ネズミ講は止めるべきである(cf.[2007.10.24])。

 国家借金はいくら増えても痛くも痒くもないが、自分家系借金が増えるのであれば、人は本気になる。

http://www11.ocn.ne.jp/~ques/diary/diary.html

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